元銀行員が耳打ち「生活費は運用で増やす!」

さて、ここからは元銀行員のAさんに、老後の生活資金の守り方・増やし方について伺っていきます。

「私は銀行員時代、投資信託をリタイア世代の方に販売する機会が多くありました。この世代のみなさんは「資産を減らすことができない」という前提があります。極力低リスク、かつ、長期で安定して運用できる投資信託、あるいは単位型の投資信託などを、多く販売してきました」と語るAさんのお話です。

リタイア世代の「投資信託選び」

投資信託のよいところは、「運用しながら、分配金で毎月運用成果を引き出すことができる」という点です。

実際をいうと、「毎月分配型」は、あまりお勧めしたくない商品なのですよね。でも、リタイア世代の方に限っては、否定するつもりはありません。

なぜなら、「生活資金」と割り切っていくのであれば、運用しながら一部を取り崩していく受け取り方は、問題ないからなのです。

「分配金で受け取った分」と同じ金額を普通預金から毎月引き出したとすれば、いずれ資産は枯渇するわけです。でも、投資信託の場合は、「運用しながら取り崩す」ことになりますので、資産が減るスピードは理論上では遅くなります。

ただし、ここで慎重を期したいのは「投資信託の選び方」です。

長期運用に不適切なファンドを選択した場合、お金を増やすどころか減らすスピードを早めてしまう可能性があるからです。

例を挙げれば、リスクが大きい、流行に左右されやすいテーマ別の投資信託などは避けた方が無難でしょう。