2021年1月26日に行われた、株式会社マクアケ2021年9月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社マクアケ 代表取締役社長 中山亮太郎 氏

ビジョンとミッション

中山亮太郎氏:みなさま、こんにちは。株式会社マクアケ代表取締役社長の中山でございます。新型コロナ禍での決算説明が早くも3回目というふうになりましたが、今回もオンラインでの説明とさせていただきます。

今回も最初に簡単な事業内容の説明をした上で、その後に2021年度第1四半期の決算の説明、最後に戦略の要点を説明させていただきます。

まずは、いつものとおり、我々のビジョンの紹介をさせていただければと思っております。「生まれるべきものが生まれ、広がるべきものが広がり、残るべきものが残る世界の実現」。こちらが我々のビジョンでございます。

資本主義が合理化されすぎた結果、大量流通を前提とした大量生産ができるような商品にしか経済合理性が見出しづらいというふうに言われてしまっており、今後、趣味嗜好がどんどん多様になっていく時代に、本当は生まれるべきものだったのにお蔵入りしてしまったりですとか、広がるべきものなのに埋もれてしまったりですとか、残るべきものなのに消えているような課題が、世の中の至るところに存在しているというふうに我々は考えておりまして……。

ただ、今まで積み上げてきた経済の仕組みによって、とても便利さが生まれていると思うんですけど、それをまったく否定をするものではないのですが、従来の経済の仕組みに我々の展開していくような事業を肉付けていくことで、生まれるべきものがちゃんと生まれ、広がるべきものがしっかりと広がり、残るべきものがしっかり残る世界にしていけるというふうに考えておりまして、このビジョンに向けて日々邁進しております。

そのために、世界中の個人も法人も持っているいろんなリソースをつなぎ合わせていくことを企業のミッションとしておりまして、「世界をつなぎ、アタラシイを創る」というミッションを掲げております。

事業概要

その中で、現在のメインの事業として、応援購入サービス「Makuake」という新商品や新サービスのデビューを後押しするマーケットプレイスを運営しております。

仕組みをあらためてご紹介しますと、新商品や新サービスのデビューを成功させたい会社が、その商品やサービスの量産前やローンチ前のタイミングで先行販売を実施できる仕組みになっております。

また、消費者の方は、自分好みの新しい何かに出会いたい消費者がアクセスしてきまして、「Makuake」上で見つけた自分好みのものを先行購入できる仕組みになっています。

「Makuake」は、この先行購入のことを、その製品のストーリーや背景に心が響いて、応援の気持ちを伴って購入していく行為であることから、「応援購入」という動詞で表現しております。

収益としては、この応援購入総額(GMV)の20パーセントが成果報酬手数料として売上に計上されているかたちでございます。

Makuakeにより生まれ、広がる新たな商流

この仕組みにより、新しい新商品デビューの商流をつくることができていると我々は考えております。従来ですと、事業者が新商品を量産して在庫をつくって、その後に流通業者やECを通じて初めて消費者に提供できていたと思いますが、この新商品という極めて成功するか見通しが立ちづらいような段階で量産していくというリスクをとる商流だったために、思い切った新商品を産み出しづらかったというような状況があったかと思います。

そこで、マクアケがつくり上げている商流というのは、事業者が量産する前に「Makuake」上で新商品をできる限り先行販売して、認知度アップや実績づくりやテストマーケティング等を図って、その実績自体を伴って一般流通業者に展開していくというステップをつくっております。

この商流をつくっていくことによって、趣味嗜好が多様な時代においてもターゲット消費者にしっかり刺さる思い切った新商品を、リスクを低く生み出せる商流になるのかなと考えておりまして、「Makuake」という場が、ここに書いてある1次流通前の「0次流通」というポジションの、流通市場のゲートウェイとして価値を大きくしていこうと考えております。

2021年9月期1Qの総括

続きまして、第1四半期の決算情報についてでございます。第1四半期を簡単にまとめますと、それまで半年でコロナにより急激な我々の成長がありまして、第4四半期の大型プロモーションの効果などにもよりまして、我々としても予想をはるかに上回る急成長につながりました。

その中で、サマリーの1つ目にも書いてあるんですけれども、しっかりとこれを次なる成長のきっかけにつなげるべく、第1四半期の位置づけというのを、底が上がったという段階においての次の成長に向けた体制強化の時期というふうに定めまして、プロモーションの強化は特に大型な強化はせずに、審査のクオリティですとか、キュレーターのコンサルクオリティーの向上に向けたオペレーションのブラッシュアップと、そこに向けた採用・育成を強めて、オペレーションの基盤づくりにフォーカスをした時期といたしました。

2つ目は、それまでの大型のプロモーション等々、実績等々で、知名度ですとか、認知度の向上は図られていたので、新商品のデビューのオンラインシフトという流れもありまして、実行者からの需要は引き続き急激に増加し続けましたが、プロモーションの縮小をさせていただきましたので、サポーターの流入数は減少というふうな結果となりました。

また、3つ目なんですけれども、10月から12月は、コロナ初期のパニック的な一過性需要が落ちついた時期だったかなと、ご覧いただいているみなさんも少し感じている部分もあるかなと思うんですが……。

その時期においても、前年同期比2倍成長として着地できた辺りというのは事業として大きな底上げがされているというふうな実感を得られるような期ともなりました。

品質保証体制のさらなる強化に注力

先ほども申し上げましたが、その中で我々の事業ステージ自体が想定以上に早く上がった上での、次の成長投資への基盤づくりのために、サマリーの1つ目に申し上げた品質保証のオペレーションというところで、効率化システムの強化に集中しておりました。

簡単に言うと、「Makuake」は新商品をつくる前に売る仕組みでありまして、もうつくってあるものを売るような一般のECとは異なる仕組みですので、掲載前の各種の審査ですとか、納品状況のモニタリングがとても重要になります。

また、まだ実績も知名度もない世に生まれる前の新製品、新商品をサイト上にて魅力を伝えていくためのサポートとして、キュレーターの存在というのもとっても重要になりまして、それらの守りと攻めのオペレーションを効率化させていくオペレーションシステムの存在も同時に肝になってくるかなと考えておりまして、ここの強化をしていました。

こちらは、このオペレーションのシステムは一朝一夕では真似できない競争力の1つにもなる部分ですので、その体制ですとか、ノウハウ、オペレーション、そしてシステムの磨き上げにリソースを集中投下したというような時期にいたしました。

業績概要 前年同期比

着地の数字でございますが、GMVが四半期で45億円となりまして、前年同期比で約2倍というかたちで、営業利益は1.5億円の着地となり、大幅な底上げとなったかなと考えております。

業績概要 前四半期比(単Q)

前四半期との比較で言いますと、GMVはマイナスになっておりますが、こちらは第4四半期の一部がコロナの需要増状態が続いたというようなこととともに、大型のプロモーションを実施して費用を使ったこともありますので、GMVの増加影響、第4四半期にはあったということで、前四半期と比べると、むしろ前四半期のほうの成長が著しかったのかなというところで、マイナスとなっております。

通期予想進捗率

進捗としては計画どおり推移しておりまして、もうすでに1月に入ってからいくつかニュースリリースも出させていただいておりますが、特に今年度は第2四半期からさまざまな攻め手を打っていきますので、後半に向けて加速していく予定でございます。

応援購入総額の推移

こちらはGMVの伸びのグラフでございますが、半年で大きく底上げができたということが見てとれるかなと思います。

こちらの中で、少し左のほうで、2019年度の第2四半期、それまでの急成長を受けて品質保証のオペレーション強化の時期でして、プロモーション抑制という時期にしたんですけれども、その後の成長の基盤づくりにその時期フォーカスしていたんですが、その時の基盤づくりのフォーカスというものが、その後の急激なマーケット成長と言いますか、僕らの成長に対しても耐え得る基盤づくりになったかなと考えておりまして……。

逆にその時に基盤づくりができていなかったと考えますと、今の成長はないというのはかなりはっきり言えるかなと思っていますので、その時の成功体験もありまして、今年度の第1四半期もまさにそういった位置づけにしまして、今後の大きなポテンシャルマーケットを取り込んでいっても耐え得るという、その備えを強化した時期でございました。

販管費の構成比

販管費の構成に関してはこちらのとおりでして、特徴で言うと、プロモーションへの先行投資を抑制したことと、次の成長への採用・育成の強化をしたことというのが人件費率が上がっている部分になるんですけれども、それが見てとれるかなと思っております。

賃借対照表 前Q比

B/Sに関しましてもこちらのとおりでして、実行者へ支払うキャッシュを預り金として計上しておりますが、それを除いた場合の自己資本比率は82.6パーセントというふうになりまして、引き続き健全な財務状況を維持できているかなと考えております。

利益率 前年同期比

各種利益率については、品質保証体制の強化時期のためにプロモーションの抑制はしつつも、採用・育成による体制の強化をかなり図ったということもありますので、これは先行投資をしているということもありますので、営業利益率が減少しておりますが、このビジネスモデル的には中長期でGMV比10パーセント前後の利益率になるというふうなビジネスモデルであると見込んでおります。

利益率 前四半期比(単Q)

こちらは前四半期比で大型プロモーションを実施した際の対比になっておりますので、ご参考までにご覧ください。

主要指標 前年同期比

掲載開始の件数も対前年比2倍以上と、かなり急激に増加しているんですけれども、アクセス数についても大きく底上げされた1年間だったかなというふうな結果となりました。

主要指標 前四半期比(単Q)

そして対前四半期で見ても掲載開始数の伸びが著しく、ここのサポートを維持していくための品質保証の強化というふうにするべきだと経営で判断して、第1四半期というのは品質保証強化という位置づけにした次第でございます。

アクセス数については、コロナの影響も落ちついたというタイミングと、あと、プロモーションの抑制により微減となっております。そしてその分、リピート応援購入率自体は増えるというような結果となりました。

重要指標の推移

そしてこちらは、それぞれのKPIをグラフ化したものでございまして、まず左上で新たな掲載開始数のグラフに1年以内に「Makuake」を活用したことのあるリピーター実行者の割合が見えるようにしております。

全体の掲載開始数に占める割合は年々増加しておりまして、現在、第1四半期で43.6パーセントがこの四半期の中の1,800件強の中で使っていただいた、リピートして使っていただいた件数になっておりまして、これが1年前だと33パーセント台だったので、この1年でリピートの率自体は10パーセント増加したというような結果となっております。

新商品をデビューさせる際のメリットと満足を感じていただけていることが増えていると見てとれるんですけれども、このリピート実行者が積み上がりで全体の掲載開始件数も押し上げているというのは非常によい状況だというふうに我々も感じております。

それで、「新商品のデビューは『Makuake』から」という流れがより多く会社に定着していければというふうに考えておりまして……。

しっかりと使っていただいた実行者さんに、また新商品を出すタイミングで、またサービスを出すタイミングで「使いたいな」と思われるようなサービスの提供を心がけていきたいと思っております。

また、右のグラフでリピートアクティブ応援購入者の積み上がりを1つ我々も見ておりまして、今回広告等少し弱めたというようなタイミングで、広告を見て再訪問してくる既存ユーザーもいますので、このプロモーション抑制によってそこのリピート者が多少減少しましたが、コロナ前から比べますと大きく積み上がった、我々にとってのユーザー資産というふうに言える結果となったかなと思います。

2021年9月期1Qに掲載を始めた主なプロジェクト

こちらも毎四半期ご紹介させていただいているんですけれども、今回の第1四半期も本当にさまざまなプロジェクトが「Makuake」上でデビューしていったんですが、先ほどもご紹介したとおり1,800件のプロジェクトの中で一部抜粋しております。

引き続き、家のライフスタイルを豊かにしていくアイテムですとか、フードが伸びたというのは、この時期の特徴的なところかなという部分です。

その他にも、密を避けるレジャーであるアウトドアグッズも利用が浸透していきまして……。けっこうこのアウトドアグッズ、いろんなのが出てくるんですけれども、我々の想像を上回るスピードで、そこのメーカーさんですとか、代理店さんにはもう浸透しているというところはもう感じておりますし、ユーザーの方からも非常に密を避けたレジャーというので、アウトドアというところが1つ、市場が拡大しているのかなという感覚も得ております。

そして、この真ん中の右のほうに書いてありますこの寝袋なんかは、「NANGA」というアウトドアが趣味の人や登山家などには非常に知られた企業でファンも多い企業なんですけれども、そういったところの利用であったりですとか……。

あとは白いロールケーキが真ん中にありますが、みなさんもご存知の北海道の「白い恋人」で有名な石屋製菓さんが新商品をデビューさせる際にご利用いただいたりとか、こういった一般に親しみのある地方の企業への浸透の加速も感じられるような四半期となりました。

2021年9月期1Qに掲載を始めた主なプロジェクト(大企業)

また、大企業の利用も裾野が広がっておりまして、この左上のNECさんなんですけれども、研究開発技術を活用して新たにつくるイヤホンを「Makuake」でデビューしていただいたりですとか、LIXILさんが屋内用の猫の運動建具、キャットウォークのようなものなんですけれども、これを壁ごと施工してあげるという商品がありまして、これを応援購入募集で活用していただいたりなど、大手に対しては1つの商流として、非常に浸透がまた進んだような期になったかなと思っております。

プロジェクトのカテゴリー別構成比

利用ジャンルの変化としまして、大きな変化というものは見られなかったんですけれども、ファッションアイテムの増加やフードジャンルの活用が前四半期よりも増してきまして、これはどういうふうに見ているかというと、ファッションやフードといったものはより幅広い消費者をターゲットにできるものかなと思ってますので、そういった意味ですと、「Makuake」のファンになっていただけるようなユーザーの裾野というのがこのジャンルの広がりといったところにおいても非常にポテンシャルが高まった期かなと感じております。

Topics①

続きまして、トピックとしましては、先日リリースを出させていただいた提携がありまして、この米国の新商品デビューに強みのある「INDIEGOGO」という世界的大手クラウドファンディングサービスがあるんですけれども、こちらと業務提携をさせていただきました。

特に欧米中心のアイテムが、「INDIEGOGO」さんを使った、そして商品をデビューさせた欧米中心のアイテムが、日本展開したいという際に、「Makuake」にそういった企業をご紹介いただき、または逆に日本の製品で「Makuake」を使ってデビューしたような商品が、今度は欧米圏へリーチを広げたいというような実行者さんもいらっしゃいますので、そういった方々に「INDIEGOGO」さんを紹介していくというような相互紹介の提携となっております。

こちら、「Makuake」 にさらに販路拡大をサポートするという一環の動きとしての位置づけとなっておりまして、国内の販路だけでなく海外の販路への連携も今後力を入れてまいります。

こちら自体はまだどのような規模、業績、インパクトになるかというのは非常に不透明な部分もありますので、業績へのプラスは今のところ読み込みはしておりませんが、何か著しい変化があった場合にはご報告させていただきたいなと思っております。

また、JALさんのヘビーユーザー向けのサービスページに、セレクトした「Makuake」実施中の案件を連動表示させる取り組みもスタートしておりまして、こちらはJALの会員さんが「Makuake」での応援購入にしたがってJALマイレージも付与されるというような提携取り組みになっております。

さらにファッションブランドのビームスさんとも提携しておりまして、「Makuake」内にビームスさんの特設ページを設けまして、ビームスから生まれる特別な新アイテムの応援購入募集をしていくという取り組みもスタートしております。

4つ目が、こちらは1月28日放送ですが、『カンブリア宮殿』にて1時間「Makuake」のサービスを紹介していただけることとなりまして、ご存知のとおり経済系の番組としてはトップレベルの番組ですので、こういったかたちで映像を通してマクアケの事業のよさを世の中に知っていただける機会になればというふうに思っております。

今日の段階ではまだ放送されていないんですけれども、非常に多岐にわたって、日本中津々浦々に行っていただいたりですとか、研究技術にフォーカスしていただいたりですとか、いろんなかたちで「マクアケの今」というかたちで映像を通して取り上げていただくよい機会になるんじゃないかなと感じております。

Topics②

また、百貨店さんとの新たな取り組みとして、「オンライン催事」という取り組みを、まず大丸百貨店さんと開始いたしました。

毎年店舗にて開催していましたオフラインでの催事が百貨店さん、大丸さんもありましたが、コロナの影響もありまして、なかなか本来のパワーを出しづらいという中でのデジタル活用を模索していた中だったかなと思うんですが、そんな中で「Makuake」と連携をしまして、今回はスイーツの催事を「Makuake」上でも開催するという取り組みをすることにしまして、スイーツの業者さんが新しいスイーツ製品を「Makuake」で応援購入を募集しているというようなかたちで、オンラインでも催事的盛り上がりをつくっていくというようなサービスを提供し始めました。

こちらのオンライン催事の取り組みなんですけれども、百貨店さんはもちろんのこと、地域の物産展のようなイベントですとか、いろんな業界のイベントなども連携できる新しい催事のかたちとしての可能性があると感じておりまして、非常に手応えを感じております。

その他で新型コロナの第3波というふうに言われており、緊急事態宣言が日本の一部都市に発令されておりますが、飲食店のサポートプロジェクトや、そこを販路にしています日本酒の酒蔵を応援するようなオンラインでの「日本酒市」といったような取り組みも含めて、今回の緊急事態宣言下においても実施しております。

流通市場におけるポジション

続きまして、中期成長戦略の概要を簡単にご紹介できればと思っております。引き続き流通市場において、1次流通の前の商流として、「0次流通市場」での新商品、新サービスの最大のデビューのゲートウェイとして確立するべく注力をしてまいります。

当社が狙っていく新商品EC市場の規模と市場の拡大可能性

こちら市場規模ですが、小売流通市場の中におけるオンラインでの新商品デビュー市場は、オンライン化が進む中で国内だけでも5年後に1兆円前後の規模になると考えておりまして、そこにおける最大のプラットフォーマーとして確立できるように成長し、潜在市場自体、我々の成長で顕在化していきたいと考えております。

Makuakeの生態系を強化する各種サービスの拡充

こちらは、我々が中期でつくっていくプラットフォームの生態系のイメージになっておりまして、商品のデビューを後押ししていく商流を「プロデュースフェーズ」「デビューフェーズ」「グロースフェーズ」という3つの商流に分けて考えております。

その中で、真ん中の「デビューフェーズ」として位置づけているところが、まさに応援購入サービスである「Makuake」の今のサイトの場所になっておりまして、当然ここの拡大というのはしていきつつ、しっかりと新商品がデビューしていくと、成功していくという商流の肉付けをしていく上で、まず左側の「プロデュース」のフェーズでは関与していきたいと思っている中で、今すでに実施しているのが、新商品の企画プロデュースをしていくサポートサービスなんですけれども、MISという事業がございまして、ここが大企業の研究開発を生かした商品をその企業と共同でプロデュースをしていったり、サポートしていったりというサービスでございます。

これによって、なかなかそのままでは出てこないような、すごい研究技術を伴った革新的な新製品をこちらから能動的につくっていくというような動きをしておりまして、そういったものが「Makuake」でデビューをしていくというような1つのリレーをつくっております。

そして今後は、このプロデュースフェーズにおいては、「Makuake」でのヒット商品データベースがたくさん溜まってきておりますので、こういったデータベースを活用することで「Makuake」を活用していただいた企業の新商品の次のアイデアのきっかけになるようなツールの提供をしてくのと、データベース自体を活用したプロデュースサポート機能などは我々であればできると考えておりますので、そういったところにも挑戦していきたいと思っております。

また、右側の「グロース」のフェーズでは、「Makuake」を使ってデビューした商品のその後の販路拡大ですとか、売上拡大をサポートしていくサービスを提供していきます。

すでに「Makuake」内で継続販売していけるEC機能の提供をしておりますし、オフライン店舗を10店舗ほど全国で展開もしていますので、そういったのも、この「グロースフェーズ」でのサポートのサービスですが、今後は自社でECを展開していきたいという実行者さん、もしくは上手くやっていきたいという実行者さんもいたりしますので、そういった機能というよりは、そういう自社ECを上手に運営できていくのをサポートしていけるような、なんかそういうサポートサービスを、自社ないし、提携ないししながら仕掛けているということですとか……。

あとは、流通業者とのマッチングは今以上に力を入れていったりですとか、そういったものを通して、今後、「アフターマクアケ」とも呼んでいるんですけれども、「グロースフェーズ」のさまざまなサービスの強化にあたっていこうと考えております。

先ほども触れた、先日発表した「INDIEGOGO」さんとの提携もこの「アフターマクアケ」で海外への商流づくりを進めるためのサポートですので、この「グロースフェーズ」に対してのサービス強化というふうに位置づけております。

「新商品をデビューさせていく商流」とシンプルに言いましても、非常にこのように多岐にわたるサポートが求められますが、それぞれを強化していくことによって強いシナジー効果があるとともに、新商品をデビューさせるのであれば「Makuake」の生態系商流を活用したほうが、活用しないよりも売上が明らかに最大化されるというベネフィットを多くの企業に提供できるかなと思っておりまして、そういった生態系の強化をやっていきます。

そしてここに向けて事業提携はやっておりますが、今後は資本提携ですとか、あとはM&Aですとか、あと自社新規事業として開発していくなど、さまざまなかたちで投資をここから加速していきますので、ぜひ発表を楽しみにしていただければと思っております。

応援購入総額の規模拡大を最優先にしたプロモーション投資

そして応援購入サービス「Makuake」のサイト自体も、サポーターと実行者への、両方へのブランド認知アップとユーザーの獲得をしていきたいと思っておりまして、1年でも早く、年間数千億円規模のGMVのサービスに成長できるように、プロモーションの強化を今後も引き続き強めてまいりたいと思っております。

そして第1四半期はそういった強化に向けた準備というところがあったんですけれども、この第2四半期について、月内から大型のプロモーションを実施予定となっておりまして、引き続き今後もこういった増収の部分、トップラインを伸ばすというところとともに、微増益……投資をしたとしても赤字転落とかではなく、しっかりと微増益というバランスを意識することで、生産性にもしっかりこだわった成長投資戦略をしていきたいと考えております。

認知度拡大を目的とするブランディング広告の実施

昨年度第4四半期に実施した大型のプロモーションで見えてきたこともいろいろございまして……。実際に大型プロモーションを行うことによって、そのタイミングでの優良なリピートの実行者さん……先ほど、リピート実行者率43パーセント以上になっているというふうにお伝えしましたが、こういった大型のプロモーションのタイミングでも、新規だけではなくて、優良なリピート実行者さんの新商品掲載が増加するという効果が実際にあったというのもあります。

しかし、これは短期効果でございますが、狙っているのは中長期的な効果というところでございまして、しっかり中長期的に、「自分たちのこだわりのある新商品をデビューするなら一般流通やECではなくて『Makuake』」というブランドイメージの強化につながることにもなるかというのは、前回のプロモーションでも見えてきましたので、引き続きこういったところにつながるプロモーションをしていきたいと思っています。

あとはまた、消費者サイドのほうも、サポーターさんについてもストーリー、心高揚して愛用品ですとか、サービスを手に入れる「応援購入」という新しい消費行動のニーズも顕在化に手応えを非常に感じておりましたので、この映像を伴うテレビですとか、Webでのマスコミュニケーションという手法も駆使していきながら消費者認知を高めて、利用促進とユーザー定着ということにつなげていきたいなと思っております。

ESGを意識した事業拡大

ESGの取り組みについても、我々の事業自体が非常に社会的インパクトを意識している事業モデルになっておりまして、実際に地域への貢献ですとか、後継者問題の解決ですとか、研究技術の有効活用、また今ですとコロナにおける産業界の攻めの活性化に直結する事業になっておりまして、今後もしっかりと社会への貢献をいろんなかたちで強めていきたいと思っております。

また、ガバナンスについても、昨年の株主総会にて監査等委員会設置会社の移行をすることでよりガバナンス強化をする動きをいたしました。引き続きステークホールダー、または社会に対しても、適正な経営を実施してまいりたいと思います。

2021年9月期 通期業績予想

通期での業績予想は期初の発表と変わらずステイとさせていただいておりまして、トップラインで前年比1.6倍から1.7倍の成長を見込んでおりますので、引き続きこのようなかたちで発表させていただいております。

私からの2021年第1四半期の決算説明は以上となりますが、引き続きコロナの終息が予測しづらい世の中というふうになっておりますが、社会の構造もどんどん変わってきております。

今後の社会において、事業者、消費者の両方から「新しいデジタル商流の期待感」というのを非常に感じておりまして、我々に対しても非常にその期待感というものを感じている次第でございますので、勝手ながら使命感をしっかりと持ちまして、今後、社会的責任をより大きく発揮していけるような、そんな会社に成長していきたいと感じております。

ただその中でも、今回の第1四半期のように守りを固める時はしっかりと固めていって、攻める時はしっかりと攻めるというバランスとリズムと、勝負所の組織の一枚岩というところは強く意識していきたいなと思っておりまして、そういったことを通して、短期ではなく長期でしっかりと応援していくに値するような、そんな会社になっていきたいと思っております。

私からの今回の決算説明は以上になりますので、ぜひ今後とも、ご支援、応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

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