総務省の「地方公務員数の状況」によると、令和2年4月時点で地方公務員は約276万2,020人いることが分かっています。

日本の就業者数は6707万人(総務省統計局「労働力調査(基本集計)2020年12月25日公表」)ですので、そのうちの約4%が地方公務員として就業しているということになります。公務員といえば、景気に大きく左右されるようなこともなく安定しており、退職金もしっかりもらえそうなどというイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。

今回は地方公務員の退職金事情に迫ります。

地方公務員の退職金の算出方法は? 

そもそも公務員の退職金は「基本額」と「調整額」の合計金額にて計算されます。まず、基本額ですが、これは「退職日給料月額」と「退職理由別・勤続年数別支給率」を掛け合わせたものです。この退職理由別・勤続年数別支給率というのは「自己都合」「定年・勧奨」「整理退職」のそれぞれの理由と勤続年数によって変わってきます。

例えば、自己都合退職の場合を見ていきましょう。その場合の支給率は、勤続年数1年:0.6、5年:3.0、10年:6.0というように勤続年数が長ければ長いほどその率がどんどん上がっていきます。定年退職の場合はというと、勤続年数1年:1.0、5年:5.0、10年10.0と自己都合退職に比べて高い率で上がっていき、45年の場合は59.28の支給率となります。
次に調整額ですが、これは当該月額にその退職者が属していた職員区分に応じて定める額のうち、額の多いものから60月分の調整月額(16,700円~79,200円)を合計したものをいいます。ただし調整額は全員が貰える訳ではありません。例えば自己都合退職者で勤続期間が9年未満の人には支給しないなど一定の条件を満たす必要があります。