ボーナス支給月が近づき、自分の評価が気になっている人も多いのではないでしょうか。
皆さんが受け取る給与からは、毎月「社会保険料」がひかれています。これには「年金保険」や「健康保険」など保険料が含まれ、これを支払うことで退職後の厚生年金や、万が一の際の医療費が安く抑えられる保障を受けられるのです。
しかし、厚生年金については男女の受給額に大きな差があることをご存じでしょうか。
厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報(令和4年度)」によると、会社員が加入する厚生年金保険受給権者(受給する権利がある人)のうち女性の平均年金月額は、男性の3分の2に過ぎないのが現状とされています。
なぜこのような差が生じるのか、そして実際の受給額はどのような状況なのでしょうか。
今回は、公的年金の仕組みと実際の厚生年金の受給額について解説していきます。記事の後半では実際になぜ金額にこのような差が出てくるのか、その理由と併せて老後の資金準備についてもお伝えします。
1. 【厚生年金と国民年金】公的年金制度「2階建て」のしくみ
公的年金は、1階部分の国民年金と2階部分の2階建て構造になっています。
まずはどちらの年金に加入しているのか知っておきましょう。
現役世代が支払っている保険料は、積み立てて自分たちが受け取るわけではありません。その時代の高齢者に支給される年金の原資となっており、これを賦課方式といいます。
反対に私達が年金を受給する頃になると、「その時代の現役世代が払う保険料を原資とした年金」が受け取れるということですね。
国民年金は日本国内の20歳以上60歳未満の全ての人が加入し、保険料は一律です。
一方、厚生年金は公務員やサラリーマンなどが加入します。保険料は所得に応じて変わり、将来の年金額も加入期間や納付額によって変動します。
それでは、厚生年金を「月20万円以上」受給できる女性はどれほどいるのでしょうか。
次の章から「年金の実態」をグラフで確認しながら、いよいよ本題に入っていきましょう。