そもそも「男性がもらえる年金」ってどのぐらい?

たとえ妻側の収入が少なくても、先で述べた制度を利用することで、年金分割が可能となります。

そこで気になるのが、そもそも夫がもらえる年金額はどのくらいか、ということでしょう。

厚生労働省の「令和元年(2019)度厚生年金保険・国民年金事業の概況」は、厚生年金保険(第1号)の老齢年金の年金月額階級別受給権者数(令和元年度(速報版))として、受給権者数と年金月額を以下のように示しています。

厚生年金保険(第1号)の受給権者数…1598.7万人
(うち男子1066.7万人、女子532万人)

平均年金月額…14万4268円
(うち男子16万4770円、女子10万3159円)

※企業年金連合会によると、2015年10月に旧共済年金が厚生年金に統合された際に、旧共済年金の加入者が第2号厚生年金被保険者(国家公務員共済)、第3号厚生年金被保険者は地方公務員共済、第4号厚生年金被保険者は私立学校共済とされています)

続いて、男性の老齢年金の年金月額の分布は以下の通りです。

  • 30万円~:1万8000人
  • 29~30万円:1万2000人
  • 28~29万円:2万4000人
  • 27~28万円:4万7000人
  • 26~27万円:7万9000人
  • 25~26万円:12万6000人
  • 24~25万円:19万6000人
  • 23~24万円:28万9000人
  • 22~23万円:41万9000人
  • 21~22万円:59万1000人
  • 20~21万円:75万4000人
  • 19~20万円:86万9000人
  • 18~19万円:92万7000人
  • 17~18万円:93万1000人
  • 16~17万円:86万6000人[←平均]
  • 15~16万円:77万7000人
  • 14~15万円:69万1000人
  • 13~14万円:60万4000人
  • 12~13万円:52万人
  • 11~12万円:44万2000人
  • 10~11万円:35万6000人
  • 9~10万円:27万6000人
  • 8~9万円:23万9000人
  • 7~8万円:23万3000人
  • 6~7万円:15万7000人
  • 5~6万円:7万2000人
  • 4~5万円:3万5000人
  • 3~4万円:1万2000人
  • 2~3万円:6000人
  • 1~2万円:1万2000人
  • ~1万円:8万5000人

夫が民間企業のサラリーマンの場合、男子の平均年金月額である「16万4470円」がひとつの目安となります。ただし、月給比例部分である報酬比例部分の影響により、実際の年金月額は幅広く分布しています。

「男性会社員の年金はこのくらいだ」と一概にいうことはできませんので、注意が必要です。