貯金1000万円のAさんが不安になる理由

年収も貯蓄も人並みにあるAさんが、将来に対して漠然とした不安を抱えている…。その背景には、「貯蓄を切り崩すことになる可能性」がありました。

先ほどの総務省の家計調査報告では、年収600万円の世帯の世帯主の平均年齢を以下のように示しています。

年収600万円~650万円世帯…平均47.5歳
年収650万円~700万円世帯…平均48.4歳

また、同調査によると、この世代は、大学進学前の子どもがいる世帯が多く見受けられることが分かっています。

先述のとおり、Aさんも、大学受験を控えた子どもが2人いる状況です。仮に2人とも私立大学に進学したり、自宅外通学を選んだりした場合、貯蓄1000万円だけでは不足する可能性は大いにあるわけです。

さらに、40代後半ともなると、そろそろ老後のことも考えなければなりません。かつて金融庁のレポートで話題となった「老後2000万円問題」では、老後の生活費は年金収入以外に2000万円が必要であると示されています。

子どもたちの大学費用をなんとか捻出できたとしても、老後費用としての貯蓄を別で用意しておかなければなりません。Aさんが「貯蓄1000万円では不安だ」と頭を抱えるのは、無理もないといえるでしょう。