この記事の読みどころ

  •  ブレグジット(英EU離脱)の影響を見極める英小売売上高が発表になります。
  •  日本の景気ウォッチャー調査は景況感の節目となる50.0を下回り続けています。
  •  9月の米小売売上高は今後のマーケットを占う試金石となるものです。

今週発表される経済指標の中から、特にマーケットインパクトを与えそうな経済指標をいくつかピックアップしました。ぜひ、チェックしましょう!

出所:各種報道をもとに筆者作成

ブレグジットの影響を見極めたい英小売売上高

10月11日(火)8:01に、9月の英小売協会(以下、BRC)小売売上高調査が発表されます。

BRC小売売上高調査は、BRCと世界4大会計事務所の1つであるKPMGが共同で発表する経済指標です。これは、英国全体の小売売上高の約60%を占め速報性もあるため、マーケット参加者の注目も高いものとなっています。

前回、8月のBRC小売売上高調査は前年同月比-0.9%と、7月の同+1.1%からマイナスに転じました。もっとも、今年の夏季休暇は、費者の関心が買い物よりも娯楽やアウトドアに向かったとしています。

今回、9月の同指標の市場予想は同-0.3%の見通しとなっています。

景況感の節目となる50.0を下回り続ける日本の景気ウォッチャー調査

同日14:00には、日本の9月景気ウォッチャー調査が発表されます。

景気ウォッチャー調査は、「街角景気」と呼ばれるもので、タクシー運転手や飲食店経営者など、実際の景気動向を敏感に感じている人々を対象にした調査で、内閣府が発表します。

特に、景気ウォッチャー調査の現状判断DI(ディフュージョン・インデックス)とTOPIXには高い相関が認められ、マーケット参加者の関心も非常に高い経済指標です。

前回、8月の同指標は45.6と、2カ月連続の改善となりましたが、景況感の節目となる50.0を下回る水準で推移してきました。

9月の同指標の市場予想は45.8と、小幅な改善予想となっています。

今後のマーケットを占う試金石となる9月の米小売売上高

10月14日(金)の21:30には、9月の米小売売上高が発表されます。

米小売売上高は、米商務省センサス局が発表し、米GDPの約70%を占める個人消費の動向を把握する重要な経済指標です。

前回、8月の同指標は前月比-0.3%と、市場予想の同-0.1%を下回る内容となりました。

細かい話になりますが、プロのエコノミストが重視する自動車・ガソリン・建設資材・外食を除くコア小売売上高も同-0.1%と、市場予想の同+0.3%を下回りました。

今回、9月の同指標の市場予想は同+0.6%と、プラス圏へ回復する見通しとなっております。

【参考情報】各経済指標の元データ

英小売協会(BRC)小売売上高調査はBRCのウェブサイト、景気ウォッチャー調査は内閣府のウェブサイト、米小売売上高は米商務省センサス局のウェブサイトをそれぞれご参照ください。

 

岡野 辰太郎