KDDI、上期は端末販売収入減が影響し減収も、成長領域が大きく貢献し営業利益は前年比+6.4%

2020年10月30日に行われた、KDDI株式会社2021年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:KDDI株式会社 代表取締役社長 髙橋誠 氏

auは全機種5Gへ

髙橋誠氏:よろしくお願いします。本日はお忙しい中、KDDIの決算説明会にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。またご視聴いただきまして本当にありがとうございます。2021年度3月期第2四半期の決算についてご説明をさせていただきたいと思います。

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今日のテーマですが、「みんなの5G」、マルチブランド戦略、「KDDI Accelerate 5.0」、成長領域の拡大と中期目標達成に向けて、この4点についてご説明をしたいと思います。

まず、みんなの5Gについてです。すでにご案内のとおり、auは全機種が5Gへ移行し、ハイスペック機種からミドルレンジ機種まで幅広いラインアップを展開すると公表しています。また、5G対応の新iPhoneについても登場しており、すでに発売を開始していますが、順調に推移していると考えています。

5Gのエリア展開

次に5Gのエリア展開ですが、既存の周波数の活用によって、よりエリア拡大を加速していきたいと思っています。5Gの基地局ですが、ご案内のとおり2021年3月までに約1万局、そして2022年3月までに約5万局を設置する予定でして、これによって2022年3月には、全国人口カバー率90パーセントを目指します。

われわれは局数ではなくて、実際にこの90パーセントと数値をしっかりと目指していきたいと思っています。今年の12月末には、全47都道府県をカバーする予定です。

一方、対応の周波数ですが、新規についてはミリ波で28GHz帯、Sub6の3.7GHz、4.0GHz帯を大切にしっかりと拡大していきたいと思っています。これに加え、既存の周波数もいち早く5G化を目指します。700MHz帯、1.7GHz帯ほか既存の周波数帯を順次利用しまして、エリア拡大をしっかりと図っていきたいと思っています。

5G料金プラン

5Gの料金プランですが、ご案内のとおり5Gを満喫していただくために、データ使い放題プランを拡充しています。「データMAX 5G」をベースとしまして、「Netflixパック」「テレビパック」「ALLSTARパック」のようなバンドリングしたサービスをどんどん用意しており、ますます拡張していきたいと思っているわけです。

さらにこれに加え、auの「ワイド学割」もスタートし29歳まで広げました。その理由に、29歳までの統計を取ってみますと、このような料金とサービスをバンドリングしたサービスは、非常にこの層の方たちに人気があります。今までの学割というものの域を広げ、29歳以下なら新規、機種変更で6ヶ月間の月額料金を最大1,600円割引するワイド学割をスタートしており、非常に好評をいただいているところです。

au 5Gエクスペリエンス

次に、auの「5Gエクスペリエンス」のお話をします。これについても公表していますが、データ使い放題プラン、そして5Gエリアの広さを強みにして実現をしています。

具体的には左側にありますように、5G対応の新しいiPhoneに判定機能を組み込んでいます。これはAppleとわれわれのほうでかなり密に話をしまして、「データMAXプラン」、つまり使い放題のプランであるそのユーザーさまが5Gのエリアに行かれると新しい体験につながることができます。

例えば「TELASA」であれば、使い放題プランのお客さまが5Gエリアに行かれた途端にフルHDの画質に切り替わるという、5Gの新しい体験価値をお客さまにご提供していきたいと思っています。

これはauのみのサービスになっていまして、ほかの会社はまだ無制限や使い放題のプランをお持ちになっていらっしゃらないので、このようなものを拡大していきたいです。

また、「SPROTS BULL」はスポーツ関係の動画サービスです。そして今年の12月以降に対応予定ですが、「smash.」あるいは「auスマートパスプレミアム」のようなサービスにも拡大することによって、われわれはオーグメントと呼んでいますが、拡張体験をしっかりとお客さまにお伝えしていきたいと思っているわけです。

マルチブランド戦略

次に、マルチブランド戦略についてお話をします。グループ全体で幅広くお客さまの期待に応えていきたいと思いまして、われわれは、その持ち合わせているブランドをマルチブランド戦略として表現しています。

具体的には安心の使い放題をauのブランドで表現します。また、みんなの5Gということで、5Gにこだわったサービスに仕上げていきたいと思っています。

一方、シンプル、お手頃価格と名を打ち、UQ mobileは20GBのプランの追加をして、シンプルでお手頃な価格のブランドとしています。そして、お得で特色のあるサービスとしてBIGLOBE mobile、あるいはJ:COM MOBILE、また新しく発表しましたDXの新ブランドのMVNO、それぞれの特色を生かしたお得なサービスをご提供していきます。

今、世の中は多様なお客さまがいらっしゃいますので、多様なお客さまに対して多様なプランをご用意しました。それを整理するために、マルチブランド戦略としてau、UQ mobile、そしてMVNOの3つのレイヤに分けてご説明をしているということです。

UQ mobile

UQ mobileですが、国際水準に遜色ないプランを高品質なサービスで提供へということで、今までの「スマホプランS」と「スマホプランR」に加え、「スマホプランV」という20GBで月額3,980円を提供します。

1,980円、2,980円、3,980円の3つを作ってみますと非常にわかりやすいプランになりましたので、お客さまにもしっかりとお使いいただけるのではないかと思っています。これに通話オプションの通話パック60分で月額500円をご用意しており、国際水準に遜色ないプランをお出しできたと思っています。

右側にありますように、20GBプランの月額料金の比較ですが、通話品質がいいと言われているニューヨークやソウルと比較しましても、今回のご提供価格は十分に遜色ないプランになっているかと思っています。

DX 新ブランド

新しいDXの新ブランドですが、デジタルネイティブ層に向けて新たなUXを提案します。これはCircles Lifeという会社があり、シンガポールを拠点とするDXの新事業です。UXの改善高速サイクルによる高NPSを実現し、お客さまの推奨度がプラスの50パーセントぐらいではないかと思いますが、それぐらい満足度が高い会社です。

Circles Lifeは自社のプラットフォームによって、2019年に台湾や豪州でも実際に進出しており、この会社と今回のサービスを提供することにします。非常にわれわれとしてもチャレンジングなサービスであると思っていますが、右側にありますように、eSIM活用による完全オンライン型、さらにシンプル、スピーディーな手続き、そしてお客さまによる料金カスタマイズという新UXのサービス提供に向けてMVNOの新会社を11月に設立します。

KDDI Digital Lifeという会社名ですが、当然ブランド名については、KDDIの冠はなしにブランド価値が伝わるようなブランド名で、ご提供することを今検討しているところです。

マルチブランド戦略まとめ

マルチブランド戦略のまとめですが、ID基盤のさらなる拡大とアップセル推進ということで、auとUQ mobile、そしてMVNO、BIGLOBE mobile、J:COM、新ブランドがありますが、まずこの3つの戦略によって、auからグループ外への顧客流出を抑止していきたいというのが1点目です。

2点目ですが、これだけ新しいラインナップを揃えていますので、UQ mobileでも、国際的にも遜色のない水準で提供し始めます。そのような意味では、新規獲得が強化できるのではないかと思っています。

3点目としては、UQ mobileやBIGLOBE mobileから、auの5Gを一生懸命こだわっていきますので、ここへのアップセルが可能ではないだろうかと思っています。このような3つのポイントにこだわりながら、われわれとしてもなんとかグループとしてのARPUを上げていきたいと思っているわけです。

そして、UQ mobileからauへのアップセルですが、アップセル効果は非常に拡大していると考えており、昨年の10月と今年の10月を比較してみますと、YOYで3.5倍超のアップセル率になっていますので、これについては非常に期待できるのではないかと思います。また、5Gというものをいかに魅力的なサービスにしていくかというのも重要な観点ですので、このあたりをしっかりと実行していきたいと思っています。

2030年を見据えて

次に、「KDDI Accelerate 5.0」についてご説明をします。2030年を見据え「Society 5.0」の実現を目指し、「KDDI Accelerate 5.0」を策定しました。これについては、今年の8月にリリースしていますが、持続可能な生活者中心の社会「Society 5.0」があります。これは政府が目指す世界として定義されており、仮想空間との融合で豊かな社会を実現するというものです。

まず、フィジカルレイヤからデータを収集します。次に、サイバーの空間でこのデータをしっかりAIを使いながら分析してから、またフィジカルの空間のほうへフィードバックして、よりよいフィジカルな空間を創り上げようというものです。このような循環型社会を「Society 5.0」と呼んでいます。この根幹にくるのが、当然5Gになろうかと思いますので、われわれとしては、「Society 5.0」を5Gの力でAccelerateしていくという意味を込め、「KDDI Accelerate 5.0」と定義しています。

KDDI Accelerate 5.0

「KDDI Accelerate 5.0」ですが、5Gを中心に7つのテクノロジーと3つのレイヤで「Society 5.0」を加速すると思っており、7つ定義を掲げ、総合研究所を中心にこの研究を進めています。

右側ですが、これを実現するためのネットワークレイヤ、プラットフォームレイヤ、ビジネスレイヤと定義しており、ネットワークレイヤについては、5Gそのもののことを指しています。またプラットフォームレイヤについては、ビジネスのレイヤで新しいビジネスのプラットフォームを創出することです。そしてビジネスレイヤは、パートナーさまと一緒に新しいビジネスをディベロップメントしていくことです。このようなレイヤで整理しています。

一番下にある「KDDI Research」ですが、総合研究所では、AI分野と無線通信分野で海外の著名な大学、研究者と共同研究プロジェクトを立ち上げました。世界トップクラスの研究成果を目指して「KDDI Accelerate 5.0」を推進していきます。

KDDI Accelerate 5.0の取り組み

次に、「KDDI Accelerate 5.0」の取り組みですが、多くのパートナーさまとともに、5G時代のDXを推進していきたいと思っており、この「KDDI 5G ビジネス共創アライアンス」をアライアンス参加企業とともに創り上げています。左側に、ロゴマークとともに参加いただいている企業の名前を載せています。この方たちと一緒にこの5Gの世界のネットワークをしっかりと創り上げていきたいと思います。

また右側ですが、虎ノ門エリアに、特に法人中心の新しいビジネスデベロップメントを起こすためのものを集めており、法人部門の新拠点を8月からDXの支援ということで設置しています。またビジネスデベロップメントの世界では、「KDDI DIGITAL GATE」を設置しています。

また、応用研究開発の「KDDI research atelier」を新しく2020年の12月にオープンします。今まで総合研究所がふじみ野にあったのですが、基礎研究と応用研究に分けて、基礎研究については5G、Beyond 5Gを研究していきます。基礎研究はふじみ野を中心に、また応用研究については、虎ノ門を中心にしっかりと進めていきたいと思っており、虎ノ門エリアのトライアングルと呼んでいます。

トヨタ自動車様との業務資本提携

トヨタ自動車株式会社との業務資本提携を今回発表します。街、家、人、クルマのすべてがつながる社会を見据えて提携を強化します。左側にあります今までのコネクティッドサービス、「つながるクルマ」に通信機を載せ日本国内、海外に向けて、われわれはトヨタ自動車株式会社と一緒に提供してきましたが、これを発展させ「移動」と「通信」の枠を超えた新しい取り組みをスタートさせていきます。

通信プラットフォームの研究開発の共同実施、また次世代コネクティッドカー向けの運用管理システムの共同開発、さらにクルマの内外に囚われることなく、人々の生活を豊かにし、安心安全を追求していくサービスおよびサービスプラットフォームの共同構築、そしてビックデータを活用した社会課題解決の共同推進をテーマとしまして、今回、業務資本提携をしたところです。

上期業績と中期経営計画の進捗

成長領域の拡大と中期目標達成に向けてのお話をします。上期の連結業績については、売上高は2兆5,372億円となりYOYで1.1パーセント減少しました。端末販売収入の減が影響していますが、下期に向け5Gをはじめ販売強化していきます。

一方、第1四半期に続きまして第2四半期も、成長領域であるライフデザイン領域とビジネスセグメントは拡大しました。営業利益では5,888億円、成長領域の牽引によりYOYで6.4パーセントの増加となりました。中期経営計画で掲げている目標の達成に向け、さらなる成長領域の拡大を目指していきます。

上期連結営業利益 増減要因

上期の連結営業利益の前年同期比、プラス354億円の増加要因についてご説明します。成長領域がプラス309億円と大きく増益貢献しましたが、パーソナルセグメントにおいて、auとグループMVNOを加えたモバイルの通信料収入はマイナスとなっています。

その他には、auの端末販売コストや端末販売粗利の減少など、一時的な影響により、プラス60億円となっています。来期に向け取り組みを強化するとともに、成長領域の拡大等によって通信料の値下げ影響を吸収することで、期初予想の着実な達成を目指していきます。

成長領域

連結業績を支える成長領域になります。左側のライフデザイン領域の上期売上高は、6,030億円で進捗率46.7パーセント、右側のビジネスセグメントの上期売上高は、4,762億円で進捗率50.1パーセントとなりました。ともに中期経営計画の達成に向けて順調な進捗となっています。

サマリー

最後にサマリーになります。本日のサマリーですが、5Gの成長領域の推進により中期目標の達成を目指します。事業戦略においては、みんなの5Gを掲げ、auは全機種5Gへ移行します。データ使い放題プランとエリアの拡大を推進し、強みを生かしたサービスを展開します。

マルチブランド戦略によりグループでお客さまの幅広いニーズに対応します。「Society 5.0」の実現に向けて「KDDI Accelerate 5.0」を策定しました。そして街、家、人、クルマのすべてがつながる社会を見据え、トヨタ自動車株式会社と新たな業務資本提携に合意しました。連結業績と中期目標では、上期業績は成長領域が牽引しており、さらなる拡大によって中期目標達成を目指します。そして、2,000億円を上限とした自己株式取得を決議しました。以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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