老後生活まっただ中の70代。この時期における貯蓄額は、老後生活の満足度や安心感を大きく左右するといっても過言ではありません。この世代の方々は、どのくらいの貯蓄をもって生活しているのでしょうか。今回は、シルバー世代のお金事情をながめつつ、70代以上の貯蓄の現状にフォーカスしていきます。
まずは「無職高齢者の貯蓄事情」
まずは、「無職高齢者」という区分における貯蓄状況からみていきましょう。総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2019年(令和元年)平均結果-(二人以上の世帯)」で示されている、高齢無職世帯の貯蓄現在高の推移は以下の通りです。
- 2014年・・・2372万円
- 2015年・・・2430万円
- 2016年・・・2363万円
- 2017年・・・2348万円
- 2018年・・・2280万円
- 2019年・・・2244万円
このように、無職高齢者の貯蓄現在高は4年連続で減少しています。続いて、2019年の貯蓄現在高である「2244万円」の内訳もみてみましょう。
高齢無職世帯の貯蓄の種類別貯蓄現在高(二人以上の世帯)
金融機関
- 通貨性預貯金・・・552万円(24.6%)
- 定期性預貯金・・・948万円(42.2%)
- 生命保険など・・・374万円(16.7%)
- 有価証券・・・361万円(16.1%)
金融機関外・・・8万円(0.4%)
「通貨性預貯金」…自由に入出金可能な普通預金など
「定期性預貯金」…金融機関に一定期間預ける定期預金など
「生命保険など」…生命保険会社の養老保険やこども保険などで、掛け捨ての保険は含まない
ここまでは「無職高齢者」の貯蓄状況をながめていきました。次では本題である「70代以上」貯蓄の状況をみていきましょう。