レコードにカセットテープ、そしてCDやMDと音楽メディアが進歩し、今ではスマートフォンで手軽に音楽を聞けるようになりました。

時代が移り変わっても人々の傍らには音楽がありますが、40代以上は幼少期にレコードがあり、カセットテープからCDへと主役が移行していくのを目の当たりにした世代でもあります。お気に入りの曲を編集したカセットテープ、好きな歌手のCD発売日を心待ちにした思い出を多くの人が持っていることでしょう。

一方、今の子どもたちにとって、音楽を聞くのはスマホ経由、人気の曲など流行をつかむのはYouTubeになっているようです。

減少の一途を辿るCD生産

スマートフォンの普及やストリーミング配信、サブスクリプションサービスの台頭で、隆盛を極めたCDの生産枚数や売上は減少の一途を辿っています。

一般社団法人日本レコード協会のデータによると、オーディオCDの生産量(シングルとアルバムの合計)は2000年に約3億8000枚、生産金額は約5088億円に達しました。それが2019年には約1億3000枚、約1495億円と、全盛期の約3分の1にまで減少しています。

CDの栄華に終止符を打つきっかけとなったのが、iPodの登場です。カセットテープからCDへと音楽メディアの主役が移行し、時にはMDという新メディアも登場してもCDの天下は揺るぎないと思われていた2000年代初頭、Apple社が世に送り出したiPodにより時代が急激に変化していきます。