「還暦定年60代」で慌てないために

さらに、「長年にわたって勤務しているから退職金はそれなりにもらえる」「勤務先は退職給付制度があるから安心だ」とは言い切れないのが現状です。

金融審議会の報告書では、1997年の平均退職給付額(全規模)は3,203万円でしたが、2017年はには1,997万円まで下がっていることが示されています。20年間で約1200万円も減少しているわけですから、今後わたしたちが定年時に受け取る退職金が予想を下回る可能性も考えられるでしょう。

さいごに

退職金のアテが外れて老後資金が不足してしまっても後戻りすることはできません。まずはご自身のお勤め先に退職金制度はあるのか、あるとしたらどのくらい受け取れそうか、などを確認してみましょう。

また「退職金でなんとかなるだろう」「定年後も働くつもりだから」とタカをくくることは避けたほうがよいかもしれません。リタイヤまでにコツコツとご自身で資金形成を続けていかれることで、より安心した老後の生活をイメージすることができるはずです。

参考資料

平成30年就労条件総合調査 結果の概況」について

調査対象は日本標準産業分類(平成25年10月改定)に基づく16大産業(製造業や情報通信業、金融業など)に該当する産業で、常用労働者30人以上を雇用する民営企業(医療法人、社会福祉法人、各種協同組合等の会社組織以外の法人を含む)となっています。ここからさらに、産業、企業規模別に層化して無作為に抽出した企業が調査対象です。調査客体数は6405、有効回答数は4127、有効回答率は64.4%となっています。

LIMO編集部