先日、米電気自動車(EV)メーカー「テスラ」のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が世界の長者番付で首位に躍り出たことがニュースになりました。

そのわずか3日後には2位に後退したものの、わずか1年でアマゾン創業者のジェフ・ベゾスと世界一の富豪の地位を争うまで財を成したのは、まさにアメリカン・ドリームと言っても過言ではないでしょう。

ハナシが大きすぎて、まるでおとぎ話のようですが、昨年から続くコロナ禍で貯金やお金の大切さを痛感したという人は多いのではないでしょうか。

突然降って沸いた騒動が街から人を消し、私たちの仕事さえもあっという間に奪っていく・・・こんなことが実際に起こるのだと、私たちに知らしめることとなりました。

特に日頃貯金をしていない人は、お金が減っていく怖さを身にしみて感じたかもしれません。

私は大学卒業後、信用金庫での勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。

そこで今回は、貯金ゼロの世帯は単身世帯と二人以上世帯ではどのくらいいるのかを見ながら、貯金を始めるための方法についてみていきたいと思います。

単身世帯と二人以上世帯、貯金ゼロはどのくらいいるか

それでは早速、単身世帯と二人以上世帯で貯金ゼロ世帯がどれくらいあるのかをみていきたいと思います。

金融広報中央委員会実施の「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」によると、年齢別の金融資産非保有世帯は以下の通りです。

金融資産非保有世帯の割合(単身世帯)

  • 20歳代:45.2%
  • 30歳代:36.5%
  • 40歳代:40.5%
  • 50歳代:37.2%
  • 60歳代:29.8%
  • 全体:38.0%

金融資産非保有世帯の割合(二人以上世帯)

  • 20歳代:22.9%
  • 30歳代:15.8%
  • 40歳代:18.7%
  • 50歳代:21.8%
  • 60歳代:23.7%
  • 70歳以上:31.1%
  • 全体:23.6%

単身世帯と二人以上世帯を比較すると、どの年代でも単身世帯の方が金融資産を保有していない人の割合が多いことが分かります。

最近は女性の社会進出とともに結婚後も共働きという世帯が一般的になりました。二人以上の世帯の方が貯金をする余裕があることに加え、家族を扶養しなければならないという責任感が貯金につながるのかもしれません。

しかし、万が一病気で働けなくなる、もしくは失業するといったリスクは、単身の人も同じように起こりえます。

「自分1人ぐらいなんとかなるだろう」という考えは危険であることをコロナ禍で痛感した人も多いと思います。単身世帯も二人以上世帯も、貯金がないという人は少しずつでも構いませんので、まずは貯金をスタートすることをおすすめします。