短期大学の存在価値が問われていると言ってもいいでしょう。実際、短期大学(私立)の校数は、平成7年度の500校から、平成27年度には既に320校へと激減しています。実に、20年間でピーク時の3分の1が消滅しました。同じような動きが今後、4年制大学にも波及するのは必至なのかもしれません。
大学の質を低下させないためには統合化の促進が効果的か
実際、今週末の大学入学共通テストの志願者数は、初の3年連続減少となりました(注:大学入試センター試験導入以降のデータに基づく)。この傾向が来年以降も続くなら、仮に、大学側が入試合格ラインをもう一段引き下げても、入学者数がいっそう減少することは不可避と言われています。
そもそも、大学は専門性の高い学問の学び舎であるはずです。大学の経営維持を重視するあまり、大学の質を低下させては本末転倒と言えましょう。文部科学省は、大学の統合促進など、早急な施策を講じる必要があります。いや、実は、もう手遅れの段階にあるのかもしれないのです。
こんな暗い話をしてから言うのも不謹慎かもしれませんが、何はともあれ、受験生の健闘を祈ります。くれぐれもコロナ感染にはご注意ください。
参考資料
- 「私立学校の経営状況について(概要)」(文部科学省)
葛西 裕一