株式市場の振り返り-依然として材料不足の中、「トリプル末日」は反落で終わる

2016年9月30日(金)の主要指標 カッコ内は前日終値比

  • 日経平均株価 16,449円(▲243円、▲1.5%) 反落
  • TOPIX 1,322.7(▲20.4、▲1.5%) 反落
  • 東証マザーズ総合指数 948.1(▲9.9、▲1.0%) 4日ぶり反落

東証1部の出来高は18億1,958万株、売買代金は2兆461億円(概算)となり、前日より増加しましたが、水準そのものは低いままでした。日経平均株価は終日16,500円を下回って推移しており、前日の上昇分が全て帳消しになった形です。ディフェンシブ業種、輸出関連業種、金融関連など広く売られましたが、原油関連セクターの一角は買われたようです。

一方、東証マザーズの出来高は6,012万株、売買代金は888億円となりました。売買高は大幅減少となりましたが、値嵩株の売買が堅調だったため、売買代金は小幅減少に止まりました。ただ、東証マザーズ総合指数の4日続伸はならず、終値でも950ポイント割れとなっています。

通信セクターと輸出関連セクターに売り、不動産株は堅調に推移

個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)やKDDI(9433)などの通信株が大幅下落となり、トヨタ自動車(7203)、オリンパス(7733)、TDK(6762)、パナソニック(6752)、任天堂(7974)などの輸出関連株も大きく値を下げて終わりました。また、東京電力ホールディングス(9501)など電力株も急落した銘柄が目立ちました。一方、三菱地所(8802)など不動産株が値を上げ、ローソン(2651)など小売株の一角も堅調に推移しました。また、外需関連では、コマツ(6301)やローム(6963)が上昇となっています。

新興市場では、そーせいグループ(4565)は僅かな下落に止まりましたが、CYBERDYNE(7779)が大幅下落となりました。医療バイオ感銘柄ではアキュセラ(4589)も大幅安で引けています。また、注目の串カツ田中(3547)は大幅続落となりましたが、ALBERT(3906)はストップ高と買われました。

本日(10月3日)の注目点-「三日新甫」も荒れるのか?イベント控えて粗い値動きへ

株式相場の格言に「二日新甫(しんぽ)は荒れる」というものがあります。この「新甫」とは商品取引所で、月が替わって新たに始まる相場を言いますが、株式相場では“月初め”を指すと言われています。そして、この格言の意味は、“その月の1日が休日か祝日で、2日から市場が開かれる場合、その月の相場は荒れることが多い”ということです。

ところで、今月(10月)は3日から始まりますから、「三日新甫」となります。当然、三日新甫はどうなるのか?という疑問が出てきます。恐らく、この格言が生まれたのは、まだ土曜日も株式市場が開いていた頃だと思われます。従って、三日新甫という概念がなかった可能性があります。その意味では、今の時代に適用させるのは少し難しい格言なのかもしれません。

しかし、新しい月が始まり、様々なイベントを控えて、相場が粗い値動きになりやすくなっているのは確かでしょう。3日(月)は、週末の米国雇用統計の発表待ちの一方で、本格化する決算発表(2月期、8月期)が大きな波乱要因になる可能性があります。引き続き小売セクターに注目しながら、売られ過ぎ感が残る輸出関連銘柄の下値を拾うことも一考に値すると考えられます。また、新興市場では、IPO銘柄への注視を怠らないようにしましょう。

青山 諭志