新車の新しい買い方として10年以上前に登場した残価設定ローン(残クレ)。通常のローン支払いよりも毎月の支払いが抑えられる買い方として認知度が高くなり、2019年のデータではローン利用者の67%が残クレを利用しているというデータもあります(※)。
そこで今回は、今となってはなかなか聞きにくい、残クレの仕組みや利用時の注意点について解説してきます。
「残価設定ローン(残価設定型クレジット)」の仕組みについておさらい
そもそも「残クレ」とはどういったものなのか、確認していきましょう。
残クレは正式名称を「残価設定ローン(残価設定型クレジット)」といい、購入する車の“将来の価値”をあらかじめ設定し、その価値を残価としてローン支払いの最終回に据え置くことで、毎月の支払い額を抑えられるようになるローン商品です。
それでは実際にどれくらい抑えられるのか、例をみてみましょう。
300万円の車を5年(60回払い)で購入するとして、今までのローンだと300万円を単純に60分割(毎月5万円)し金利をかけたものを支払います。残クレの場合は、その車の5年後の中古車としての価値をクレジット会社があらかじめ定め、それを最終回に据え置きます。仮に5年後の価値が100万円であると仮定すると、最終回の60回目の支払いを100万円とし、残り200万円を59分割(約3万4,000円)することになるので、最終回を除けば通常のローンよりも月々の支払い額を抑えられます。
最終回の支払い時には「新車へ乗り換え」「車両の返却」「支払って乗り続ける」の3つの選択肢から選ぶことができ、前者2つを選択すれば最終回の支払いが免除されるという支払い方法です(乗り続ける方法として「再クレジット」契約ができる場合もありますが、各契約により条件などが異なります)。