漫画家の祭さんは、おみくじちゃんとあみだちゃんというチンチラの母子、そしてデグーの棟梁ちゃんというネズミさんたちと一緒に生活しています。気がつけば、はや年の瀬。思えばこの1年は、長年一緒に暮らした小明神さんが亡くなり、そのすぐあとに忘れ形見のあみだちゃんが誕生するなど、祭さんにとっては様々なことが起こった年でした。

そんなことをつらつら考えながら街を歩いていた祭さん。ふと聞こえてきたクリスマスソングに、おうちで待つネズミさんたちへのプレゼントを用意しようと思い立ちます。そして祭さんがチョイスしたのは、ちょっとお高めのレーズン。

しかし、お散歩タイムにレーズンの袋を開封し、中のにおいをかがせてみたところ、あみだちゃんはなぜだかきょとんとした様子。「おみくじちゃんや棟梁ちゃんならすぐさま飛びつくのに…」と思った祭さん。よくよく考えてみると、今まであみだちゃんにレーズンをあげたことがなかったことに気がつきました。

とりあえず、一粒つまんで差し出すと、完全に腰が引けた状態ながらも、あみだちゃんはおずおずと手を差し出します。そして、受け取ったレーズンを一口かじった次の瞬間…。「すっぱい‼‼‼」という表情をしたかと思うと、ワナワナと震えだし、手にもっていたレーズンの残りを床に落としてしまいました。それでも、口の中に酸味が残っているのか、今度はあちこちに飛び跳ねて悶絶するあみだちゃん。