足元のインフレ率はマイナス圏にあり、供給サイドの要因が緩和されたことによる食料・豚肉価格の下落から、2021年は2020年よりも更に低下する可能性がある。コアインフレ率は、サービス消費が徐々に正常化する中で、小幅に持ち直すと予想されるものの、低水準にあるインフレ率は政策支援の突然の終了をサポートするものではない。
政府はまた、企業部門の救済措置や公共投資の支援(対家計への限定的な財政移転)に焦点を当てた、反循環的な財政刺激策(例:一時的な税・手数料の救済・免除)の一部を段階的に廃止する可能性がある。
財政の健全性確保は、消費と民間投資に向けた成長のリバランスを促進するのに役立つだろう。2021年には、財政赤字と地方政府の特別債発行割当の削減(および1兆元の新型コロナウイルス対策特別国債の発行はなし)が予想されるが、緊縮財政は見込まれない。内需拡大に向けた、より多くの政策と改革努力が期待される(例:主要な経済成長のドライバーとしての「都市化2.0」)。
第14次5ヶ年計画と「双循環」開発戦略の効果的な実施に注力
生産性の向上と長期的な成長の可能性を高めるために、政策当局は構造改革により重点を置くことが見込まれる。第14次5ヶ年計画では「固有の技術とイノベーションの推進」、「国内(消費)需要の拡大・高度化」、「高品質でよりバランスの取れた持続可能な成長の追求」に重点が置かれている。
また、「双循環」戦略では、「一帯一路イニシアチブ(開発/プロジェクトの質を重視した)」を含め、開放を推進し続けながら、自給率の改善と競争力の強化に重点を置いている。