輸出は好調を維持する可能性大、米中間の緊張緩和と域内貿易の拡大が追い風に

世界的に生産の回復が勢いを増したとしても、有効なワクチンの普及が広がり、2021年には世界経済が本格的な回復局面を迎えることで、中国の輸出は好調を維持すると予想される。同時に、新型コロナウイルス対策グッズや巣籠り商品需要は今後数ヶ月でピークを迎え、個人消費は(商品から)サービスへとシフトする可能性が高いと見ている。

米バイデン政権下での米中貿易関係は、より冷静で予測可能なものとなり、貿易紛争に関する多国間ルールに基づく協調的なアプローチが採られることになりそうだ。バイデン氏が米国経済に損害を与えると判断したトランプ氏の中国をターゲットとした措置(関税引き上げなど)が、今後、一部修正されたり、解除されたりする可能性がある。

しかし、バイデン氏は当初国内問題に焦点を当てる可能性があること、国有企業(SOE)への補助金、公正な貿易取引、市場アクセス、強制的な技術移転、知的財産権保護などの構造的な問題に対する厳しい姿勢への超党派的な支持を考えると、米国の関税や技術制限の即時または大幅な変更はありそうもない。

米国は今後も中国を戦略的競争相手とみなし、米国の先端技術へのアクセス制限を維持する可能性が高いが、共通の関心分野(気候変動、パンデミックのコントロールなど)では中国と協力するだろう。貿易摩擦は緩和方向に傾くことが見込まれる。一方、新たに署名された地域包括的経済連携(RCEP)協定により、中国は地域経済協力をさらに強化し、ASEANとのサプライチェーン構築に向けた投資を拡大するだろう。

金融政策の正常化と財政の健全化、的を絞った支援と調整されたアプローチが継続

急速な経済成長の回復から、当局は2021年に緊急の金融/財政支援を漸減させることが見込まれ、それに伴い金利の緩やかな正常化、信用の伸びの鈍化、不動産や金融規制に対するよりタカ派的トーンへのシフトが予想される。パンデミックと債務返済猶予で、中断されていたデレバレッジや債務整理に、より高い優先順位が与えられる可能性がある。

とはいえ、来年3月に期限を迎える中小企業(SME)向け融資の返済猶予政策など、デフォルトリスクを注視した上で、ターゲットを絞った緩和策や流動性支援は継続されることが見込まれる。また、信用の差別化がより重視されているとしても、システミックリスクの顕在化を防ぐことが重要な政策目標であることに変わりはない。