2020年も残すところあとわずか。今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響で収入が目減りしたという方もいるでしょう。企業の業績悪化にともない、はたらく人々を取り巻く環境も極めて不安定になっています。

いまだ収束の兆しが見えないコロナ禍。今後は、年収の低下も想定し、家計の見直しなどによる自衛策が一層、重要となるでしょう。今回は、日本の平均的な年収と貯蓄額、そして貯蓄を守るための家計管理について考えていきます。

「年収400万円台世帯」の貯蓄事情

まずは日本の平均給与と貯蓄額のデータを見ていきましょう。国税庁の「平成30年(2018年)分民間給与実態統計調査結果について(※1)」によると給与所得者のうち、1年を通じて勤務した給与所得者(5,026万人/男子2,946万人、女子2,081万人)の1人当たりの平均給与は441万円(男子545万円、女子293万円)となっています。

ではここで、年収400万円台の貯蓄額はどのくらいなのか、総務省統計局の「家計調査」をもとに、表にまとめてみました。貯蓄には銀行預金以外に、有価証券や投資信託、そのほか、学資保険や個人年金保険、生命保険などの貯蓄性の保険商品も含めて考えます。

年収400万円台の貯蓄額と推移

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※総務省統計局「家計調査」をもとに編集部作成

表によると、貯蓄額はおおよそ年収の2倍になっています。そして推移を見ると、減少した時期もあれば、増加した時期もあります。

例えば2010年に注目すると、2008年にアメリカを発端とするリーマンショックが起き、2009年3月に日経平均株価がバブル経済崩壊後の最安値を更新しています(※3)。2010年はそのような影響を受けた可能性がありそうです。しかしその後、日本では2013年ごろから政府の経済政策「アベノミクス」相場が始まり、日本経済にも回復の兆しが訪れました。2015年の貯蓄額の増加には、このような世の中の経済変動が表れているといえそうです。

【参照】
※1 「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」(令和元年9月発表)国税庁
※2 「家計調査」 二人以上の世帯-貯蓄・負債(年間収入階級別)(「二人以上の世帯のうち勤労者世帯」データより)総務省統計局
※3 「日経平均 読む・知る・学ぶ」日本経済新聞社

「年収400万円台世帯」の家計見直し法とは

貯蓄額には、上述のような景気変動の影響が見られます。収入減少のリスクに備えるためにも、貯蓄を安定的に増やしていくことが暮らしの安心にもつながります。

まずは給与天引きによる貯金など、着実に継続できる貯蓄をしていくことが大切です。また、家計の見直しにより、毎月の支出額の適正化をはかりましょう。とくに、家計の中で大きな割合を占める固定支出に注目です。

(1) 住宅ローンの借換え

住宅ローン等の返済がある場合は、借り換えもおすすめです。

ローンの金利が現在の市中金利よりも1%以上高いという人や、返済期間が10年以上残っている場合は借換え効果がある可能性があります。借り換えのシミュレーションはネット上でできますが、実際には一定の手数料もかかります。次に借り入れようと思う金融機関に相談してみましょう。

(2) 保険分野については専門家に相談を

毎月の負担が大きいものの1つに保険料があります。保険も見直しのメリットを得やすい部分です。医療保険や生命保険、自動車保険などさまざまな契約がありますが、手軽に比較しやすいのが、毎年更新のある自動車保険、そして、医療保険だといえます。

自動車保険も制度改正や新商品の登場が多く、医療保険では治療方法の変化や入院日数の減少などの変化が起きています。保険については無料相談できる窓口も多いので、専門家に相談してみましょう。

医療保険や生命保険の分野については年齢とともに保険料も上がる傾向にあり、加入者の健康状態により契約の可否も決まります。乗り換えのメリット・デメリットについても相談すると安心です。

(3) 通信費・サブスクリプションサービスの見直し

携帯電話やインターネットプロバイダの料金についても、新サービスが登場しています。節約できた分を教育費として積み立てるのであれば、家族の同意も得やすいのではないでしょうか。同時に、月額課金のサービスであるサブスクリプション(サブスク)の利用費についても、利用頻度の多いサービスなのか、利用先を集約できないか、調べてみましょう。

(4) 少額からでも大丈夫!投資にチャレンジ

貯蓄の中には、10年後・20年後を見据えて準備する資金もあるでしょう。「個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)」や「NISA」「つみたてNISA]などの税制優遇制度を活用した投資を検討してもよいかもしれません。

おわりに

貯蓄については、家計の見直しや支出の工夫、節税を意識した資金形成などの積み重ねが重要です。共働きで家計簿をつける時間がない、そもそも家計簿が苦手という場合は、家計簿アプリでレシートを撮影して集計する方法や、自宅のカレンダーに支出をメモする方法もあります。

また、投資や運用は、すぐに使う予定のない資金で取り組むことがルールですので少額から始めてもOK。「大きな貯金は無理」という方こそ、比較的、始めやすい方法だといえます。

各ご家庭に合ったスタイルで、節約・貯蓄・投資などを行いながら、将来に備えていきましょう。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参考】
※1「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」国税庁
※2「家計調査 二人以上の世帯-貯蓄・負債(年間収入階級別)」総務省統計局
※3 「日経平均 読む・知る・学ぶ」日本経済新聞社サイト
家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」金融広報中央委員会