新年あけましておめでとうございます。

今年定年を迎える方は特に、退職金を老後の生活資金として考えている人も多いでしょう。

しかし、日本人の平均寿命は延びています。令和2年版厚生労働白書では、2040年に65歳の人が90歳まで生きる確率は、男性42%、女性68%と予想しています。

「人生100年時代」が現実になりつつある中、老後資金として退職金は十分な額なのでしょうか。

今回は証券会社に長く勤めた経験のある筆者が退職金の増やし方について解説します。

退職金はどの程度受け取れる?

生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」によると、老後の生活資金をまかなう手段として退職金や企業年金を上げている人は40.5%に上ります。それでは、実際にどの程度の退職金を受け取っているのでしょうか。

「平成30年就労条件総合調査 結果の概要」によると、学歴別の退職金は以下の通りです。

大学・大学院卒(管理・事務・技術職)

  • 定年:1983万円
  • 会社都合:2156万円
  • 自己都合:1519万円
  • 早期優遇:2326万円

高校卒(管理・事務・技術職)

  • 定年:1618万円
  • 会社都合:1969万円
  • 自己都合:1079万円
  • 早期優遇:2094万円

高校卒(現業職)

  • 定年:1159万円
  • 会社都合:1118万円
  • 自己都合:686万円
  • 早期優遇:1459万円

2019年は「老後資金2000万円問題」が話題になりました。金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入は20万9198円、実支出は26万3718円で、毎月5万4520円のマイナスとなり、老後を30年と考えると、

  • 5万4520円×12カ月×30年=1962万7000円

約2000万円の資金が不足するという内容でした。高校卒(現業職)では大きく足りないものの、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)と高校卒(管理・事務・技術職)では、ほぼ退職金でまかなえる金額といえます。

ゆとりある老後生活費は平均36.1万円

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」は、主に日常生活での支出を計算したものです。

しかし、生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年版)」によると、旅行や趣味などを楽しむ「ゆとりある老後生活」のための資金としては、平均36.1万円が必要という結果になりました。その場合、毎月約15万円の赤字になるので、老後を30年と考えると

  • 15万円×12カ月×30年=5400万円

の貯蓄等が必要になる計算です。30年間ずっとゆとりある生活を送るわけではありませんが、2000万円の退職金だけでは、ゆとりある生活は難しいといえます。

新年から準備する、老後の退職金の増やし方入門

退職金を受け取ったら、銀行預金に預ける人が多いでしょう。しかし、銀行預金では金利がほとんどつかないので、退職金を取り崩す生活となります。一方、資産運用をおこなえばリスクはありますが、退職金を増やすことも可能です。

老後を30年と考えれば、退職金も長期での運用を考えるべきでしょう。
運用商品としては投資信託をオススメします。投資経験のない人でも専門家に運用を任せられ、幅広い銘柄に分散投資できるので、リスクを抑えた運用ができるからです。

ただし、退職金を老後資金として考えた場合、大きなリターンを狙ってはいけません。その分、リスクも大きくなってしまうからです。大きな損失をだすと、取り戻すのは困難です。

長期でじっくりと、少しずつ増やしていくという運用を心掛けるようにしましょう。

まとめにかえて

人生100年時代を迎える中、退職金も運用してお金に働いてもらう必要があります。
ただ、いきなり投資するのは不安だという人もいるでしょう。そんな人は、退職金の受取金額から資産運用の方法まで詳しく聞くことができる投資アドバイザーに相談してみることを検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料