日系企業も要警戒〜インドネシア・テロ情勢への懸念を示す情報が増加

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最近、筆者にはインドネシアのテロ情勢への懸念を示す情報がよく届く。それはインドネシアを拠点とし、あのアルカイダと関係を持つとされるイスラム過激派「ジェマーイスラミア(JI)」に関する情報だ。

インドネシアのイスラム過激派に不穏な動き

今月に入って、インドネシアの国家警察は10月からの2か月間でJIのメンバー24人をジャカルタ首都圏など各地で逮捕したと明らかにした。具体的なテロ計画があったかなど不明な点も多いが、これほど多くのJIメンバーが逮捕されることは本当に久々であり、何かしら不穏な動きがあったことは間違いないだろう。

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ここ10年ほど、テロ対策専門家の間でJIが語られることはほぼなかった。

JIは、日本人2人を含む202人が犠牲となったバリ島・ディスコ爆破テロ(2002年10月)、ジャカルタ・オーストラリア大使館爆破テロ(2004年9月)やジャカルタ・マリオットホテル爆破テロ(2009年7月)など、過去に欧米権益を狙ったテロを繰り返してきたが、それ以降は多くの幹部が殺害・逮捕され、組織的に弱体化した。

2010年以降、JIの弱体化もあってインドネシアのテロ情勢は落ち着く傾向にあった。

しかし、イラク・シリアでイスラム国が出現して以降、「ジェマー・アンシャルット・ダウラ(JAD)」や「東インドネシアのムジャヒディン(MIT)」など、インドネシア国内でもイスラム国を支持する武装勢力が台頭し、小規模ながらもそれらによるテロ事件が続いている。

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執筆者

清和大学講師/ オオコシセキュリティコンサルタンツ アドバイザー、岐阜女子大学特別研究員、日本安全保障・危機管理学会主任研究員を兼務。
専門分野は国際政治学、安全保障論、国際テロリズム論。日本安全保障・危機管理学会奨励賞を受賞(2014年5月)、著書に『テロ、誘拐、脅迫 海外リスクの実態と対策』(同文館2015年7月)、『「技術」が変える戦争と平和』(芙蓉書房2018年9月)など。研究プロフィールはこちら