「老老介護」の問題点
ここからは「老老介護」が抱える問題点についてみていきましょう。
身体的・精神的負担が大きい
介護が必要になった理由をみてみると、要支援では「関節疾患」が18.9%、要介護では「認知症」が24.3%と最も多くなっています。
「関節疾患」などで体が不自由な要介護者の世話をするとなると、高齢な介護者には、かなりの身体的負担がかかるといえるでしょう。
また、「認知症」を患っている要介護者の世話は、介助だけでなく「言うことを聞いてくれない」「暴言・暴力・拒否がある」「徘徊がある」など、精神的な負担も大きいです。
共倒れの可能性
「老老介護」の場合、介護者も高齢であることから、体調を崩してしまう可能性が非常に高いです。
とくに、「夫婦のみ」の高齢者世帯の場合、介護者が体調を崩すなどして世話ができない状態になったとき、生活自体が回らなくなり、共倒れしてしまう場合もあります。
「介護疲れ」が悲劇を生むことも・・・。
近年、「介護疲れ」による暴力や、殺人などのニュースを目にする機会が多くなりました。「老老介護で限界だった」「一緒に死のうと思った」などの言葉もよく見聞きします。
介護による身体的・精神的負担から追い込まれ、最悪の選択をしてしまう場合もあるため、「老老介護」は社会的に大きな問題といえるでしょう。