年金のみんなが知らない上手な受け取り方

Aleksei Morozov/iStock

新年おめでとうございます。

年末年始に親族で集まり、実際に年金で生活する祖父母などをみていると、ふと「自分の老後はこんな生活ができるのかな。」と思うことがあります。

私は国内の大手生命保険会社の勤務経験を経て、フィナンシャルプランナーとして1000世帯以上のお客様のフィナンシャル・プランニングに携わってきました。

今回は現役世代を悩ませる将来の年金について、その受け取り方について確認してみましょう。

実は令和2年5月29日に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立し、主には被用者保険に加入する対象を増やし、年金受給開始年齢を現行の60~70歳の間から60~75歳までに拡大することなどが盛り込まれています。

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この年金受給開始年齢の拡大は2025年に受給権を60歳ではなく65歳に引き上げるための布石だと懸念されており、その行方には今後も注目したいところです。

「60歳から受け取りたい人は受け取れる」ことと、「65歳からしか受け取れない」ことは大きな違いであり、今後もさらに引き上げられていく可能性も高いと予想されます。

そんな年金は受け取り方で受給額が変わることをご存知でしょうか。

年金の繰下げ受給とは

「毎月受け取る年金が42%増えるけど、受け取れるのは70歳から」

この悩ましい二つの条件が合わさったものが、「年金の繰下げ受給」です。

現在の年金の受給開始は原則65歳ですが、65歳で受け取りの請求をせずに66歳以降70歳までの間で受給を遅らせる事ができます。

受給を1カ月遅らせると1カ月あたり0.7%増額されるため、1年間の繰り下げで8.4%増額、最長の70歳まで繰り下げた場合42%も増額になるというものです。

2022年4月からは75歳まで繰下げ受給が可能になる予定ですので、後の試算では75歳から受給し始めた場合もみてみましょう。

ちなみに現時点では、権利としては60歳から受け取り始める事も可能ですが、その場合は先ほどとは逆に「繰り上げ受給」とされます。

繰り上げ受給になると年金額は1カ月あたり0.5%減額され、60歳まで繰り上げた場合30%も減額されてしまいます。

繰上げ受給は一度請求してしまうと一生涯その金額で固定されてしまうため、何歳から受け取るかについてはよくよく考えてから請求するようにしましょう。

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執筆者
尾崎 絵実

短期大学卒業後、富国生命に入社。その後、大手保険代理店を経て、ファイナンシャルアドバイザー業務に従事。これまでに約1000以上の世帯からお金のご相談を受け、ファイナンシャル・プラニングを実施。常に最新の情報を把握するように努め、保険だけではなく、様々な金融商品を活用した総合的な資産運用を目指す。2020年 MDRT 日本会会員。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)、一種外務員資格(証券外務員一種)を保有。