あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、年始で、時間がゆっくり取れるということで、新年早々ではありますが、お金について考えているという方も多いのではないでしょうか。

今回は、定年60代が気になる年金について見ていきましょう。

国税庁公表の「民間給与実態統計調査結果の概要(令和2年9月)」によると、給与所得者の平均給与額は436万円となっています。

内訳を見てみると、平均給料・手当が366万1千円、平均賞与が70万3千円となり、毎月の給与額は30万円程度となります。

一方で定年後の生活を見てみると、厚生年金の平均年金月額は月14万円3千円となり、現役世代の給与額の半額以下となります。
年金で現役時代程度の収入があれば老後も不安じゃないのに、と思う人も多いのではないでしょうか。

私は大学卒業後、金融機関に勤務経験があり、FPの資格を持つファイナンシャルアドバイザーとして、多くの方のファイナンシャルプラニングに関わってきました。

そこで今回は、厚生年金を30万円以上もらえるのは全体の何割程度いるかを見ながら、ゆとりのある老後生活を送るための方法についてみていきたいと思います。

厚生年金保険の男女別の受取額はいくらか

まずは男女別でみんなが厚生年金を月いくら受給しているのかをみていきたいと思います。

厚生労働省年金局公表の「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数は以下のとおりです。

男性(受給権者総数:1081万6411人)

  • ~5万円未満:17万6602人
  • 5万円~10万円未満:106万7790人
  • 10万円~15万円未満:267万1176人
  • 15万円~20万円未満:428万3595人
  • 20万円~25万円未満:228万7877人
  • 25万円~30万円未満:31万4人
  • 30万円以上:1万9367人

女性(受給権者総数:527万876人)

  • ~5万円未満:33万8327人
  • 5万円~10万円未満:223万7266人
  • 10万円~15万円未満:212万2963人
  • 15万円~20万円未満:40万3175人
  • 20万円~25万円未満:6万4462人
  • 25万円~30万円未満:4294人
  • 30万円以上:389人

厚生年金で月30万円以上もらえるのは何%か

このようにしてみてくると、厚生年金を毎月30万円以上受給している人の割合は、男性で全体の0.17%、女性は全体の0.007%と、極めて少ない割合となっています。

定年後も現役世代並の収入を確保しようと思うと、年金だけでは足りないことがここでわかります。

では、老後の生活費は月いくら必要なのでしょうか。

総務省公表の「家計調査報告(家計収支編)2019年(令和元年)」によると、高齢夫婦無職世帯の消費支出は23万9947円、高齢単身無職世帯の消費支出は13万9739円です。

これは食費や光熱費、住居費用、医療費や服代等の日常的な支出で構成されていますが、ここで注意すべきところは、高齢夫婦世帯、単身世帯ともに住居費用の家賃地代が夫婦世帯で2885円、単身世帯で5605円しか計上されていない点です。

そのため、老後も賃貸物件で生活する可能性の高い人は、上記の支出額に毎月の家賃を上乗せして計算する必要があります。

特に単身世帯の人は老後も身軽な賃貸がいい、と思っている場合は注意が必要です。

また、老後は生活費以外にも家のリフォームや子供の結婚資金、趣味や旅行のお金、介護費用や社会保険料など生活費以外にもお金は必要になりますので、ゆとりのある老後生活を送ろうと思うと、別途ますます年金収入だけでは足りないといえます。

ゆとりある老後生活のために今からできることは

老後くらいはゆっくりしたい、将来介護状態になったときは家族に迷惑はかけたくないと思う人は、現役世代の今から老後に向けて準備が必要になります。

若いうちは欲しい物を自由に買いたい、あまり貯蓄に回す余裕がない、という人は、資産運用の力を使って毎月コツコツ少額から積み立てることを検討してみてください。

現在の国内の銀行預金の金利は0.001%程度です。これで毎月2万円を35年積み立てると840万円。利息で増える金額は1467円です。

一方で毎月2万円を3%複利で35年積み立てると、1483万円程度に成長します。これが5%複利だと約2272万円にも成長します。

複利とは、元金から生まれた利子を元金にくっつけて運用を続ける方法で、利子にも利子が付いていくため時間をかければかけるほど雪だるま式に増えていく預け入れ方法です。

この複利の効果を活用して毎月コツコツと投資信託などの金融商品に投資をしていく自分を想像してみてください。

確かに投資信託をはじめとする金融商品には元本保障がない商品が多いですが、一般的に長い期間をかけてタイミングを分散しながら積み立てることで、リスクを軽減し、リターンを安定させることが期待できると言われています。

そのため、毎月あまり貯蓄に回す自信がない人こそ、金額は無理をせず、その代わりに時間をかけて積み立て投資をスタートしてみてください。

おわりにかえて

「よし、資産運用をスタートしよう」と思ったところで、何をどうやって始めたらいいのかわからないという人も多いでしょう。
投資信託だけで国内に6000本程ありますので、この中から自分に合った商品を探すのは至難の業です。一方で、資産運用は金融知識などの情報が重要になることから、独学で始めると失敗しかねません。

そこで大切なのは、資産運用のアドバイザーに一緒に伴走してもらうことです。最近では「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)」と呼ばれる、金融機関から独立した経営方針で中立的な立場で金融商品をコーディネートしてくれるお金のプロに相談する人が増えてきています。様々な商品の中から自分にあった商品を一緒に選んでほしいという人は、一度独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)に相談できるサービスを利用してみてはいかがでしょうか。

参考資料