売れる投資信託として、よく本やセミナーなどで紹介されているのは「テーマ型投資信託」というものです。最近では「5G(ファイブジー)」や「GAFA(ガーファ)」のような、コロナ禍でも業績が堅調な強い会社の株式を集めて運用する投資信託が売れています。

カップヌードルなら売ることを目的に商品を作ってもいいと思いますが、投資信託は「売れる=資産が増える」ではありません。投資信託はずっと持っていて、運用益を増やしていかなければいけないのに、その新商品は来年もあるかどうかわかりません。短命の商品を選び続けていたら、資産は増えていかないでしょう。

【損するパターン②】 人気ランキングの上位を買う人

正直なところ、私たちのように投資信託をずっと見てきた者からすると、ネットに出ている人気ランキングはまったく当てになりません。

そのランキングに並んでいる商品は、「過去」のパフォーマンスがよかったようなものばかりです。本当に大事なのは5年後や10年後に良い結果になるかどうか、なのですが、そういう意味のランキングではないことを覚えておいてください。

ランキング情報はむしろノイズ(雑音)のようなものです。長期運用には役立ちません。

こういった人気商品は、毎年のように形を変えて生まれては、消えていっています。私はこれを「羊の皮をかぶった狼」と呼んでいます。近寄ってはいけない狼なのに、見た目は羊の姿をしており、安全・安心に見えるから騙されてしまうのです。

また、もうひとつ大切なことは、人気になっているということは、そもそもその時点でたくさんの人が商品を買っているということ。冷静に考えれば、既にブームの後追いになっていて、相場よりも高くなっているものを買わされるのだという点に注意しましょう。

筆者の福田猛氏の著書(クリックすると三科公孝氏の著書(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)