3.マイホーム購入で住宅ローンに悩まされる

使えるお金が少ないのにも関わらず、年収1,000万円以上の人はマイホームの購入をしがちです。実際に、全世帯の持ち家率75.9%に対し、年収1,000万円~1,200万円の人の持ち家率は82.9%と高い割合の人がマイホームを取得しています。

さらに、年収1,000万円~1,200万円の人の住宅取得必要資金の平均総額は4,081万円と、他の年収世帯と比べて高額な物件を購入予定の人が多いようです。稼いでいるから大丈夫だろう、と背伸びした物件を選んでしまう心理があるのかもしれません。

ボーナスをあてにして、高額なローンを組んでいる場合は要注意です。2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、冬のボーナスが全額カットになる企業もみられました。

稼いでいるからと過信しすぎず、十分に余裕をもったローン返済計画を立てることが大事だといえるでしょう。

高収入でも家計管理をしっかりと

サラリーマンの憧れでもある「年収1,000万円世帯」。年収だけをみれば裕福に見えますが、実際に使える金額としてはそこまで多くはありません。稼ぎがあるからといって自由にお金を使っていると、貯蓄が全く出来ないという状況に陥ってしまいます。どの年収の人にもいえることですが、給与明細だけを見るのではなく、収支をしっかり把握しながら家計管理をしなければなりませんね。

参考

「令和元年分 民間給与実態統計調査」国税庁
「児童手当制度のご案内」内閣府
「児童手当 61万人の子どもが不支給に 年収1200万円以上で除外、22年10月めど」東京新聞
『2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット』文部化科学省

【ご注意】

ここでいう「金融資産」とは、家計が保有する金融商品のうち、貴金属や現金、事業のために保有している金融商品、預貯金のうち日常的な出し入れや引落しなど生活費に対応する部分を除いた「運用のため、または将来に備えて保有している部分」となっています。また、「金融資産を保有していない世帯」とは、預貯金や株式などの金融商品を保有していない世帯と、預貯金のみは保有しているがそのうち「運用または将来の備え」がゼロの世帯を指します。

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

石黒 杏樹