「アクセサリー受験」にならないために

早期教育に興味を持ち「私立受験とかよさそう」と漠然と考えていたSさん。お教室から有名大学に進学した生徒さんを多数輩出しているという先生に相談をしたところ「それはお子さんのため?それともあなた自身が世間から素敵なママって思われたいためにするのか考えたことはありますか?」と問われたそう。

「素敵な住宅、キャリアのある夫。加えて私立に通う息子。『それらをアクセサリーの様に考えていませんか?』と先生はおっしゃいました。いわゆる『自分のステイタス欲しさ』が先行していないかということだと思います。当時の私は、子供の適性や将来よりも自分がどうみられるかを考えていたところがあったかもしれません。他のママはそんなことを言われていないようなので、きっと先生には私の考えがお見通しだったんではないでしょうか」

当時のことをそのように振り返ってくれたSさん。今は二人のお子さんの適性をみながら「同じ親から生まれても子供にあった進路は一人ひとり違うはず。本当に子供にとって必要な進路であれば応援してあげよう」と考えているそうです。

子供の適性を見極めるために悩む親たち

低年齢化が進む教育問題。まだまだ自分で将来を描くことのできない子供に代わり、親が主体となって進路を考えることは大切なことです。ただ「一番近くで見守っている」はずの親がいつの間にか子供に代わり「主役」になってしまうこともしばしば。一歩引いて俯瞰しているつもりでも、大切な我が子のこととなるとついつい夢中になってしまうのは仕方のないことかもしれません。

しかし、頑張るのも通うのも親ではありません。「この受験を通して得られることは何か。そして、この挑戦は我が子にとって必要なのか」子供だけでなく、親が見失ってしまわないように。情報が多い今の時代だからこそ、大切にしなくてはならないことのひとつなのではないでしょうか。

【参照】
東京都教育委員会「令和2年度公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(令和元年度)の進路状況調査編】
株式会社ファルボ『中学受験は本当に課金ゲームなのか?「中学受験にかかる費用」実態調査レポート

佐渡 六花