退職金を運用したいと思ったら

退職金は人生の中でも数少ないまとまったお金が手に入るタイミングです。

少しでも多くしようと気が大きくなってしまう方もいらっしゃるでしょう。

貴重な老後資金を減らさないように、運用する場合は以下のことに心がけておくと良いでしょう。

投資と投機を間違えない

投資とは中長期的な資産運用をしていくことで、利益を安定させて収入を得ていくことを目的としています。

一方投機とは短期間で金融商品の売買を繰り返しながら利益を得ていくことを目的としています。FXや仮想通貨などがこれにあたります。誰かが勝てば誰かが負けるという「ゼロサムゲーム」と言われ、ギャンブル性が高くなります。

投資をするはずが投機をしてしまい、大きな損失を出してしまったということのないようにしましょう。

複利の効果を知っておく

資産運用をする上で欠かせないものの一つが複利です。

複利とは預けた元本と運用の結果増えた利息分を引き出さずに利子も含めて運用し、利益を増やしていく方式です。この逆にあたるのが単利で、元本にのみ利息がついていく方式ですので、増え方は一定となります。

数字でたとえてみましょう。
100万円を持っていたとして、複利と単利、同じ条件で運用します。ある一定の年数が経ったときにお金の増え方がどのように変化しているか確認してみましょう。

年率3%で24年間運用した場合

  • 複利:200万円
  • 単利:172万円

このように時間をかければかけるほどお金の増え方は尻上がりになるのが複利です。

複利の効果を最大限享受しようと思うときには、時間をかけて運用することがポイントになります。

余談ですが、複利を使って元金がどのくらいで倍になるのかを計算するのに使われるのが「72の法則」です。

72を金利で割ることにより算出出来るのですが、先程100万円を年率3%で運用した場合24年で倍になっていました。これは72÷3(年率)=24と出てきたものだったのです。

4%ルールで運用

時間をかけてじっくりと運用することで複利の効果を得られることをご紹介しました。ここからは資産運用する上で取り入れていただきたい「4%ルール」をご紹介します。

「4%ルール」とは1998年に米国のトリニティ大学で発表された、資産運用に関するTrinity Study(トリニティスタディ)という論文が発表され、退職後の退職金をどう運用するかがテーマとなっています。

具体的には毎年の生活費の25倍の資産を作ること、株式と債券を組み合わせて保有し老後も資産運用を続けること、毎年自分の資産の4%を取り崩していくこととされています。

こうして研究結果では株式の比率を75%以上、債券の比率を25%以下で30年間運用し、生活費を毎年4%ずつ引き出していった場合でも最終的に資産が0になることはなかったと記されています。

これは米国の例ですが、日本で取り入れるとするならば、「株式と債券を組み合わせて保有し老後も資産運用を続けること」「毎年自分の資産の数%を取り崩すこと」の2つではないでしょうか。

株式と債券は通常、動きが逆になるといわれますから、両方をバランス良く保有することがおすすめです。
ただし株式と債券の比率をどのようにするか、そして株式債券どちらもどんな銘柄を選ぶかで資産の増え方が変わります。

やみくもに決めず、運用に詳しい専門家を利用すると良いでしょう。

そして自分が納得出来るまで運用を始めないことも大切です。金融商品はどんな目的でどのくらいのリスクなら許容出来るかなど、個人の投資に対する姿勢によって変わってくるためです。今はオンライン上で無料で相談出来る企業も多くなってきましたので、数社比較してみることをおすすめします。