フリーランス、専業主婦(夫)の国民年金収入はいくらか?

次に、フリーランスや自営業である第1号被保険者、専業主婦(夫)である第3号被保険者について、見ていきましょう。
前項で、サラリーマンの年金受給月額をお伝えしましたが、サラリーマンが国民年金と厚生年金の2階建てで年金を受け取れるのに対し、フリーランスや自営業の方は、1階部分である国民年金しか受け取れません。

では、国民年金受給額はいくらになるのでしょうか。まず、下記の受給権者数をご覧ください。

男性

  • 受給者総数:1422万8246人

【内訳】

  • 1万円未満:1万2909人
  • 1万円以上3万円未満:28万7670人
  • 3万円以上5万円未満:206万2648人
  • 5万円以上7万円未満:1149万9281人
  • 7万円以上:36万5738人

女性

  • 受給者総数:1843万6202人

【内訳】

  • 1万円未満:7万113人
  • 1万円以上3万円未満:101万9037人
  • 3万円以上5万円未満:572万5362人
  • 5万円以上7万円未満:1020万92人
  • 7万円以上:142万1598人

受給者総数は、男性より女性が、やや多く、ボリュームゾーンは男女ともに5〜7万円の層となっています。

平均年金月額は全体で5万5708円、男性が5万8775円、女性が5万3342円と、男女であまり差がありません。

老後に必要な金額は

男性の厚生年金平均受給額が約16万3千円、女性の国民年金平均受給額が約5万3千円とすると、夫婦そろった世帯での年金収入は、約21万6千円になることがわかります。

つまり、老後の生活は、この年金の「21万6千円」が主な収入源ということになります。ライフスタイルによって、必要な額も異なってきますが、老後にやりたいことを計画していた方にとっては、少し心許ない気もしますね。

実際この金額で不足は無いのでしょうか。

老後の年金を計算する上で、モデル世帯となる例が、金融庁から公表されています。

金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」によると、夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦世帯では、月平均の支出が約26万円、収入は、約21万円と計算されています。

つまり、収支はマイナスになる計算です。

あくまでも平均値とはいえ、金融庁の報告書にあるモデル世帯自体が、冒頭で挙げた、実際の年金受給額「21万6千円」に比較的近いので、現実的な収支は、やはりマイナスが生じやすい状況であると言えそうです。

年金で生活する世帯の中には、年金収入だけだと、現役時代との収入のギャップで、不足を感じてしまう世帯も多いのではないでしょうか。

退職後、夫婦で旅行や趣味を楽しみたい人、孫のために学費を準備するご家庭もあるでしょう。公的年金で足りない部分は、自助努力で準備する必要がありそうですね。