「今年の漢字」は翌年の株式相場と関連性アリ!?

ちなみに、近年になって「今年の漢字」が注目されている理由の1つが、株式市場との強い関連性です。

実は、選ばれた漢字一文字がポジティブな意味の場合は翌年の株式相場は上昇し、ネガティブな意味の場合は翌年の株式相場が下落する傾向が見られています(注:相場の上昇・下落は、前年の終値との比較で判断しています)。なお、両方の意味を持つ場合は、筆者の判断でどちらかに分類しました。

最近の事例を具体的に見てみましょう。

2010年に選出された「暑」は、この年の記録的な猛暑を反映したネガティブな意味でしたが、翌2011年の株式相場は、円高や東日本大震災により大幅下落となりました。2011年の「絆」は震災での助け合いを示唆するポジティブな意味でしたが、翌2012年の株式相場は大幅な上昇でした。

2012年の「金」もポジティブな意味で、翌2013年の株式相場はバブル崩壊後で最大の上昇率を記録しています。東京五輪開催が決まった2013年の「輪」もポジティブな意味ですが、2014年も株式市場は続伸しました。

また、昨年2019年の「令」も新元号制定という観点でポジティブな意味ですが、今年2020年もコロナ暴落後の奇跡的なV字回復により、最終的には上昇が見込まれているのはご存知の通りです。

一方で、2014年と2015年は“外れ”となりました。2014年の「税」は消費増税実施による消費減退なのでネガティブな意味でした。また、2015年の「安」も安全保障関連法、相次ぐテロ事件による安全への不安、マンション傾斜問題や食品問題による安全性の揺らぎを反映してネガティブな意味です。しかし、2015年の株価は小幅上昇、2016年は大幅上昇となりました。