もうすぐ定年を迎える60代。子どもの教育が落ち着いたり、住宅ローンを完済したりと、生活に落ち着きが出てきた世帯もあることでしょう。人生100年時代といわれる今、充実したセカンドライフを楽しみにしている人も多いかもしれませんね。

では、そんな「余裕ある生活」を送るためには、どのくらいの資金が必要なのでしょうか。60代の貯金額やリアルな生活を紐解きながら、老後資金について考えてみましょう。

60代、みんなの貯蓄はどのくらいあるのか

まず気になるのは、同世代のみんなはどのくらい貯蓄をしているのかということです。金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」で60代の貯蓄額をみてみると、平均1,634万円、中央値は650万円でした。一方、負債に関して「負債はない」と答えた世帯が65%と、半数以上にのぼります。負債の平均額は478万円であり、徐々に負担が軽くなってきている様子がうかがえるのではないでしょうか。

「住宅ローンの返済も終わり、子ども2人も大学を卒業。ぐっと負担が軽くなって、毎年旅行に行くようになりました。これからは自分たちの時間を楽しむぞって気持ちです」(61歳女性)

「定年延長しましたが、手取りややりがいが減って、人生にハリがなくなった感じです。老後資金のためと思って我慢しています」(63歳男性)

定年を迎えるにあたり最も気になるのは今後の生活。ライフスタイルが変化すれば、当然支出も変わってきますよね。一体、充実したセカンドライフを送るためには月いくら必要なのでしょうか。