50代の貯蓄額と老後に必要な資金

まずは50歳代の貯蓄額を、金融広報委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」より抜粋してみます。

50歳代(世帯主の年齢)金融資産保有額(保有していない世帯も含む)
【金融資産保有平均額:1194万円(中央値600万円)】
100万円未満:4.5%
100~500万円:15.8%
500~1000万円:12.5%
1000~2000万円:19.0%
2000万円以上:16.5%
金融資産非保有世帯:21.8%

1000万円以上貯蓄している世帯の割合は合計35.5%。10人のうち3人程度は1000万円以上の貯蓄があると思うと、決して珍しい存在ではないようです。しかし一方で10人中2人は貯蓄がない世帯であることも分かり、格差社会の現実がみてとれるのではないでしょうか。

老後2000万円問題の発端となった「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」には、65歳以降の老後30年で2000万円が必要になると記載されています。しかし、モデルとなる世帯が自分自身と必ずしも合致するとは限りません。また、ここには介護費用などの特別支出が含まれていないため、一概に「2000万円あれば安心」というわけではなく、また一方で「必ず2000万円かかる」というわけでもないことを念頭に入れておきましょう。