いざ出産となれば、自分の意思にはおかまいなく陣痛、破水、出産となります。実際は痛みで考える間もありませんが、自然と起こる体の大きな変化に驚きも感じていました。

そして産後は、交通事故ほどのダメージがあるといわれるカラダで育児がスタート。育児中は日々の忙しさに忙殺され、見逃していた自分の本音に気付いたのは育児がひと段落してからでした。

カラダや環境の変化への戸惑い、不安…

子どもたちが大きくなり、育児もひと段落したころ、独身時代の夢を見ました。そこには休日にゆっくりとくつろぎながら、好きなファッション雑誌を読んだり、将来の夢について考えている自分がいました。そこで目が覚め、これまで見逃してきた本音が現れてきたのです。

妊娠や出産にまつわるカラダの変化や、産後の生活の急激な変化、母親が自分の生活を後回しにすること。それらを「当たり前のこと」「母親になるんだから」と精神論で乗り切り日々を過ごしていましたが、実際は自分の感情を心の奥底に押し込んでいたのでしょう。

妊娠中や出産時の急激なカラダの変化に驚き、戸惑っていたこと、産後は産前とは違いカラダが弱くなったように感じたこと、産後の生活が独身時代と180度変わりなかなか慣れなかったこと、当時の夢やキャリアを諦めたこと……そういった驚きや戸惑い、不安や悲しみに後から気付いたのです。