老後難民―このままでは将来の生活が不安
「老後難民」、あまりうれしくない言葉ですが、これは2010年に出版した本のタイトルとして私が造った言葉です。上梓はもう10年も前になりますが、“人生100年時代”とか”老後資金2000万円問題“といった最近のバズワードで、改めて注目されているようです。
ただ「老後難民」は、”今、生活困窮状態に陥っている高齢者“といった意味で使っていたのではありません。それよりも、高齢になっていくという普通のことが、”自分が思っている以上に経済面で負担となりえる現役層“に向けた、警鐘なのです。
なぜ女性は投資をしないのか
2019年にフィデリティ退職・投資教育研究所が行ったサラリーマン1万人アンケートの結果を、個人年収の金額を回答した人のみを対象に分析すると、女性3,742人の退職準備額の平均値は490万円強と、男性6,666人の平均値548万円弱に比べて1割以上少ないことがわかりました。
また女性のうち投資をしている人は28.8%で、こちらも男性の45.0%に比べると非常に低いことがわかります。こうしたデータから「女性は退職準備ができていない」とか、「女性は投資に積極的ではない」といえるのでしょうか。「老後難民男子」よりも「老後難民女子」の方が多くなるといえるのでしょうか。