会社員の老後資金として頼りになるのが、公的年金と退職金です。

退職金をどの程度もらえるのかを知ることができれば、今後のライフプランもたてやすくなるでしょう。

この記事では退職金制度の仕組みと、退職金がどのぐらいもらえるのかについて解説します。

退職金制度の仕組み

退職金には、主に退職時に一定金額を年金として受け取る「退職年金制度」と、退職時に一括で支払われる「退職一時金制度」の2種類があります。

厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によると、退職給付制度を採用している企業の割合は80.5%。そして、退職給付制度の形態は、以下のようになっています。

  • 退職一時金のみ:73.3%
  • 退職年金制度のみ:8.6%
  • 両制度併用:18.1%

退職一時金のみの企業が多くなっていますが、退職金制度はすべての企業に義務づけられているわけではありません。ですから、退職給付制度のない企業も19.5%存在しています。つまり、約5社に1社は退職金が支払われないことになります。

自分が勤めている会社に、どのような退職金制度があるのかまたはそもそも退職金給付がないのかを、きちんと確認しておく必要があります。

退職金の相場はどのぐらい?

それでは、退職金の相場を確認してみましょう。厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によると、退職者(勤続20年以上かつ45歳以上)の平均を学歴別や退職事由別に見ると、以下の通りとなっています。

大学・大学院卒

  • 定年:1983万円
  • 会社都合:2156万円
  • 自己都合:1519万円
  • 早期待遇:2326万円

高校卒(管理・事務・技術職)

  • 定年:1618万円
  • 会社都合:1969万円
  • 自己都合:1079万円
  • 早期待遇:2094万円

高校卒(現業職)

  • 定年:1159万円
  • 会社都合:1118万円
  • 自己都合:686万円
  • 早期待遇:1459万円

早期待遇(早期退職)が一番高く、次に定年での退職金が高くなります。

また、退職事由の割合をみると次のような結果となっています。。

  • 定年:64.3%
  • 自己都合:22.8%
  • 早期優遇:7.5%
  • 会社都合:5.4%

定年が60%以上を占めていますが、注目は自己都合が22.8%となっていることです。自己都合の場合、当たり前ですが退職金は減ってしまいますので、注意が必要です。

勤続年数別の退職金

続いて、勤続年数別の退職金も確認してみましょう。

大学・大学院卒(管理・事務・技術職)

勤続年数

  • 20~24年:1267万円
  • 25~29年:1395万円
  • 30~34年:1794万円
  • 35年以上:2173万円

高校卒(管理・事務・技術職)

勤続年数

  • 20~24年:525万円
  • 25~29年:745万円
  • 30~34年:928万円
  • 35年以上:1954万円

高校卒(現業職)

勤続年数

  • 20~24年:421万円
  • 25~29年:610万円
  • 30~34年:814万円
  • 35年以上:1629万円

大卒と高卒では大きな違いがあり、勤続年数によっては、倍近い差がでることもあるのです。また、勤続年数が長くなるにつれて退職金も増えています。

中途入社などで勤続年数が短い方は、将来もらえる退職金では老後資金が不足する可能性もありますので、早いうちから資産運用を検討することも視野にいれておくことがおすすめです。

自社の退職金制度を調べるには

勤務している会社に退職金制度があるかどうかは、賃金規則や就業規則を確認すると良いでしょう。退職金がある場合には明示されており、退職金規定には、支払日や支払われる金額など退職金に関する決まりが書かれています。

ただし、規定は会社の経営状況や社会情勢によって変更されることもありますので、退職金規定が変更されるたびにチェックするようにしましょう。

もし退職金制度に社員の負担がある場合は、給与明細の確定給付掛金や退職金掛金、企業年金掛金といった項目をチェックしてみてください。

上記のような方法で調べることができない場合は、人事や総務などの管理部に問い合わると良いでしょう。

まとめにかえて

退職金制度はすべての会社に義務づけられているわけではありません。

5社に1社は退職金を支払っていないという現状がありますし、学歴や勤続年数によって退職金は大きく異なることも分かりました。

まずは自分がどの程度をもらえるのかを事前に把握し、老後資金が不足する場合は、自助努力で老後資金を用意するようにしましょう。

参考資料

山下 耕太郎