怒りは「2次的な感情」

――怒りは人間が持つ感情の1つではあるが、他の感情に付随して起こる2次的な感情だ

ロスマリン博士は、ハーバード大学が運営するニュースサイトThe Harvard Gazetteのインタビューで、怒りについての考え方の1つとしてこう説明しています。ある出来事による不安、恐れ、悲しさ、寂しさという負の感情を受入れたくないために反応して、怒りが発生する場合が多いということです。

例えば、マスク着用問題。マスクを着用していない人を怒鳴る人は、感染して死ぬかもしれないという不安、恐れという感情が先にあり、その感情の処理を素通りして、すぐに怒鳴りつけるという行動をとってしまっているのだろうといいます。

トランプ大統領の支持者達の多くは、銃規制にしてもマスク着用義務にしても、「政府(民主党)がアメリカ人の自由を奪うという恐れが根底にあるのだろう」とロスマリン博士は述べています。

もちろん2次的でない場合もあるかもしれません。また、精神疾患による被害妄想で常に怒りの感情を抱え、関係のないことや関係のない人に対してもすぐに怒るというケースもあるでしょう。

怒りのコントロール方法

このような怒りのしくみを知ることは、アンガープロブレムを抱える人も、また、周りの人にとっても役立つかもしれません。ロスマリン博士は、怒りが2次的な感情だということを前提に、怒りをなだめる方法の1つとして「Emotionally focused therapy(感情焦点化療法)」という、感情に向き合う心理療法を使って自分に問いかけるテクニックを紹介しています。