株式市場の振り返り-方向感ない中で冴えない値動き、TOPIXは7日続落に
2016年9月15日(木)の東京株式市場は続落となりました。日経平均株価は前日比▲1.3%の下落、TOPIXも▲1.0%の下落で引けています。目立たないながら、TOPIXが7日続落となっているのが注目されます。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も▲1.2%の下落となりました。
日経平均株価は、前日比▲101円安で寄り付いた後、すぐに▲86円安まで下げ幅を縮小しました。しかし、そこから再び下げ幅が拡大し、前場の終盤には一時▲254円安となる場面が見られました。その後は膠着状態に入り、大引けは▲209円安の16,405円で終わっています。
東証1部で上昇したのは438銘柄、値下がり1,412銘柄、変わらず125銘柄でした。東証1部の出来高は16億7,356万株、売買代金は1兆8,744億円(概算)となっています。薄商いでしたが、売買代金は徐々に増えているようです。
セクター動向と主要銘柄の動き-31業種が下落、金融関連が連日で厳しい下げ
東証1部で上昇したのは2業種(その他製造、パルプ紙)、下落したのは31業種でした。下落率の大きい業種には、金融関連、輸出関連、内需関連が名を連ねています。特に、銀行を始めとする金融関連の下落が連日で厳しく、来週の金融政策会合を見据えた動きと考えられます。
個別銘柄では、ファーストリティリング(9983)とソフトバンクグループ(9984)が揃って大きく値を下げ、指数下落の大きな要因となりました。その他では、ホンダ(7267)、電通(4324)、デンソー(6902)などが下落し、三井不動産(8801)や住友不動産(8830)は急落となっています。日本電産(6594)も連日で冴えない動きでした。一方、三菱商事(8058)による子会社化の観測記事が報じられたローソン(2651)が急騰し、ミニストップ(9946)も思惑買いから大幅高で引けています。また、東京ゲームショー開幕で注目が集まった任天堂(7974)も大幅上昇となりました。
東証マザーズ市場の動き-総合指数は続落、前日上場の串カツ田中がストップ高
東証マザーズ総合指数は、寄り付き後はプラスでしたが、その後マイナス圏に沈んだまま取引を終えています。結局、目立った見せ場なく続落となり、一時は900ポイント割れ寸前まで下落しました。なお、出来高は5,685万株、売買代金は718億円となり、いずれも前日より大きく減っています。また、騰落状況は、値上がりが61銘柄、値下がりが153銘柄、変わらず9銘柄でした。
個別銘柄では、CYBERDYNE(7779)が小幅高となったものの、その他の主力銘柄・注目銘柄は軒並み下落しました。医療バイオ関連では、そーせいグループ(4565)を始めとして、多くが小幅下落に止まりましたが、情報・通信関連銘柄は、ドリコム(3793)が急落するなど大幅下落が目立ちました。また、前日に上場した串カツ田中(3547)に買いが集中してストップ高となったのが注目されます。串カツ市場の将来性が評価されているようです。
本日(9月16日)の注目点-様子見スタンスが強い中、7日続落のTOPIXに注目
15日の日経平均株価は続落となりましたが、東京ゲームショー開幕に合わせて任天堂が大幅高になるなど、ポジティブな動きも見られました。このイベント開催に係るゲーム関連銘柄には、16日(金)も引き続き注目していいでしょう。その16日は、来週の金融政策会合を控え、様子見スタンスが強くなると考えられます。また、来週は日本の祭日が2日もあります。特に、FOMC後の22日(木)が休場(秋分の日)となるため、海外市場の反応を見極めてからアクションを動かすと予想されます。その分、事前の様子見スタンスが余計強まる可能性があります。
ところで、あまり報道されませんが、TOPIXが7日続落となりました。日々の下落は僅かなものですが、その間の日経平均株価の動きと比べると、少し不気味です。今後の大きな動きの前兆と見ることもできるかもしれません。
一方の新興市場は、目立った物色テーマがない中で、厳しい展開が続きそうです。しかし、14日に上場した串カツ田中がストップ高まで買われるなど、ニッチな成長市場が評価される動きが見られます。先ずは、この串カツ田中の値動きに注視したいところです。
青山 諭志