株式市場の振り返り-大きな材料がない中で下落、比較的静かな値動きに終始
2016年9月14日(水)の東京株式市場は下落となりました。日経平均株価は前日比▲0.7%の下落、TOPIXも▲0.6%の下落で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は▲2.6%下落の大幅反落となりました。
日経平均株価は、NY市場下落を受ける形で前日比▲96円安で寄り付きましたが、その後は徐々に切り返し、前場の半ばには▲22円安まで押し返しました。しかし、後場に入ると様相がやや変わり始め、下げ幅をジリジリと広げて一時は▲143円安まで下落しました。大引けに掛けてやや戻したものの、▲114円安の16,614円で終わっています。
東証1部で上昇したのは533銘柄、値下がり1,281銘柄、変わらず161銘柄でした。東証1部の出来高は16億6,404万株、売買代金は1兆7,672億円(概算)となっています。基本的には、前日に続いて薄商いだったようです。
セクター動向と主要銘柄の動き-30業種が下落。不動産は好調、銀行は不振。
東証1部で上昇したのは3業種、下落したのは30業種でした。数少ない上昇した業種の中では、久々に不動産の好調が目立ちました。他方、下落率の大きい業種では、原油価格下落の影響を受ける業種や素材系セクターが多く、また、前日に続いて銀行も弱い動きとなっています。
個別銘柄では、ファーストリティリング(9983)、京セラ(6971)、ソフトバンクグループ(9984)、信越化学工業(4063)、エーザイ(4523)などの主力株が下落しましたが、急落したり大幅安となったりした銘柄はなかったようです。ただ、日本電産(6594)の下落が相対的に目立っていたと言えます。一方、住友不動産(8830)、任天堂(7974)、村田製作所(6981)などが値を上げ、アルプス電気(6770)は大幅上昇となりました。
東証マザーズ市場の動き-総合指数は大幅反落、再び900ポイント割れが近づく
東証マザーズ総合指数は、寄り付き後からマイナスとなり、後場の終盤には下げ幅を急拡大しました。最後は若干切り返したものの、大幅反落で終わっています。数日前には1,000ポイント回復が視野に入った印象がありましたが、本日は900ポイント割れが徐々に視野に入ろうとしています。なお、出来高は7,612万株、売買代金は993億円でした。一部値嵩株の売買が増えたため、売買代金は1,000億円近くに達したようです。また、騰落状況は、値上がりが26銘柄、値下がりが185銘柄、変わらず8銘柄でした。
個別銘柄では、そーせいグループ(4565)が小幅上昇となったものの、その他の医療バイオ関連銘柄は軒並み安く終わりました。また、CYBERDYNE(7779)、ミクシィ(2121)はともに大幅下落となっています。その他の注目銘柄も総じて安くなっており、CRI・ミドルウェア(3698)は一時ストップ安となりました。また、はてな(3930)、エディア(3935)、ドリコム(3793)などはいずれも▲10%超安の急落となり、アクセルマーク(3624)も大幅安となっています。
本日(9月15日)の注目点-東京ゲームショーが開幕、株式相場への影響に注視
15日(木)から東京ゲームショーが始まります。ご存知の通り、今年は7月のポケモノミクス相場を盛り上げた「ポケモンGO」を始めとする新作ソフトや、任天堂などの新型ゲーム機に対する株式市場の注目度は非常に高いものがあります。今週に入ってから、ゲーム関連銘柄は“一休み”という状況ですが、何かの切っ掛け手で導火線に点火すれば、大きな相場となる可能性は残っていると考えられます。足元は冴えない動きだからこそ、今一度、ゲーム関連銘柄に注目するのもいいでしょう。
来週に行われる日米の金融政策会合を睨んで、粗い値動きが仕掛けられる地合いに変わりはありません。実際、14日の後場には、一瞬ですがそのような動きが見られました。NY市場が落ち着きを取り戻したかのように見えても、引き続き注意しながら臨んで欲しいと思います。
青山 諭志