独立行政法人 労働政策研究・研修機構の毎月勤労統計調査によると、現金給与総額が5カ月連続で減少しています。
長引くコロナ禍で、今後も収入減少者や失業者数は増える見通しのようです。

現役中に収入減となれば今の生活に影響が出るのはもちろん、それに連動して貯蓄減少や将来の年金減少にも繋がります。

老後の生命線となる厚生年金や国民年金ですが、私たちは一体どのくらいもらえるのでしょうか。今の年金受給額を確認してみましょう。

国民年金の受給額

まずは、国民年金の受給者数と平均月額を世代別で見ていきましょう。

厚生労働省年金局が令和元年12月に発表した「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」から抜粋したものが以下のデータです。

  • 60~64歳…月額41,790円/27万1837人
  • 65~69歳…月額56,831円/795万9326人
  • 70~74歳…月額56,429円/787万4093人
  • 75~79歳…月額55,972円/668万9076人

令和2年度の国民年金の1カ月当たりの保険料は、一律で16,540円となっており、保険料を納めた期間が40年間あると満額の年780,100円(月額約65,000円)を受け取る事ができますが、上記のデータでは全体として約55,000~56,000円程度となっている事が分かります。

最近人気のフリーランスという働き方もこの国民年金の対象になりますが、サラリーマンと比較すると収入に波がある場合が多く、やむを得ず保険料の支払いができない期間が生じると将来受け取る年金額は減少してしまいますので注意が必要です。

厚生年金の受給額

次に、厚生年金の平均年金月額をみてみます。

  • 60~64歳…月額79,135円/176万2370人 
  • 65~69歳…月額144,521円/395万3138人
  • 70~74歳…月額146,813円/365万7905人
  • 75~79歳…月額153,816円/296万8832人

厚生年金は報酬比例の年金であり、人により納める保険料が異なり、
納めた保険料に応じて受給額が算出されるため、現役中の収入が減ると年金受給額も下がる事になります。

65歳未満の受給額が大きく下がっているのは、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられた事で主に定額部分のない報酬比例部分のみとなっているためですが、年代が下がるにつれて平均受給額は減少傾向にあり、少子高齢化の今、より減少することが考えられます。

年金を受け取るのに必要な保険料納付期間

ここまで、国民年金・厚生年金それぞれの平均受給額をみてきましたが、老後に年金を受け取るためには最低限必要な保険料納付期間が定められています。

これまでは25年の納付期間が必要でしたが、平成29年8月1日からは、10年以上の納付期間があれば年金を受け取る資格を得ることができるようになりました。

受給資格に足りているか心配な場合は、年金定期便に納付期間が記載されていますので確認してみましょう。

受給資格の条件が緩和されたとはいえ、国民年金も厚生年金も納付年数や納付金額により受け取れる年金額は変わってきます。

納付期間が25年未満の場合は実際にはどのくらいの年金月額を受け取っているのでしょうか
前項と同じ資料の中から「男女別年金月額級別通算老齢年金・25年未満受給権者数」でみていきましょう。

納付期間25年未満の人の年金受給額

国民年金の年金月額

  • ~1万円未満…16万1612人
  • 1万円以上~2万円未満…38万1507人
  • 2万円以上~3万円未満…28万2703人
  • 3万円以上~4万円未満…9万6424人
  • 4万円以上~5万円未満…2万1452人
  • 5万円以上~…1401人

納付期間が25年未満の方の中で、先ほどの平均月額約5.5万円を受け取っている割合は全体の0.5%のようです。

87.4%の人は3万円未満の受給額となっていますので、将来確実に受け取るために毎月きちんと納めていくことが大切です。

また国民年金だけでは老後の生活費としては賄いきれませんので、納付と同時に貯金や資産運用で少しでもお金を増やしておくことがポイントになりそうです。

厚生年金の年金月額

  • ~5万円未満…443万4031人
  • 5万円以上~6万円未満…187万6011人
  • 6万円以上~7万円未満…262万9755人
  • 7万円以上~8万円未満…261万9886人
  • 8万円以上~9万円未満…168万619人
  • 9万円以上~10万円未満…81万2242人
  • 10万円以上…67万882人

厚生年金受給者でも、10万円以上受け取れている割合のは全体の4.5%です。

老後に必要になる最低限の生活費は約22万円と言われていますので、ほとんどの方が毎月10万円以上の赤字が出る計算になります。

厚生年金だからと安心せず、納付期間が短いと分かっている場合は現役で働けるうちにお金を増やしておくことを心がけていきましょう。

まとめにかえて

日本の年金不安は増すばかりで、定年を迎えても働ける間は働き続けるということも考える必要が出てきています。
とはいえ、その時の健康状態や景気によっては働きたくても働けないという可能性も少なくありません。

不安定な時代に生きる私たちは、同時に自分の老後も自助努力が必要な時代を生きています。
収入を増やす努力や年金受給を開始する歳を繰り下げて増やすこと、または民間の金融商品で資産運用をするなど、できる事から始めていきましょう。

参考資料

尾崎 絵実