同じコミュニティはデリケート

子供と付き合わせたくないのであれば、距離を取る。基本的なことですが実はそれが意外と難しいようです。

「まず一番怖いなと思ったのが『逆上』です。そのお子さん自身が短気なのは接してわかっていたのですが、その親御さんの姿が見えてこないのもちょっとした不安の種でした。こんなにしょっちゅう子供は見かけるのに、保護者の姿が見えてこない。働いているのか、家にいて子供に関心がないのかすらわかりません。普通、学校から帰ってゲーム機を持ってふらふら1人で出かけて行ったら親は気になりますよね。そういった感じもないお宅に『お子さんに手をあげられた』なんていって話が通じるか。もし理解したとして、今度は親が手をあげてしまったり子供を頭ごなしに叱ったり叩いたりしたら、それも後味が悪い。逆切れや逆恨みというのは本当に怖いので…」

また、Hさんは長期スパンで心配していることがあるそう。

「今はただ、近所のお兄さんと下級生と子供同士思っているかもしれません。でも、高学年になったり中学校に上がったときにははっきりと『先輩・後輩』の関係になる。その時に昔のいざこざというか悪い印象があると息子にとってマイナスになるのではないかと心配なんです。同じコミュニティで生きていくことになってしまったらいくら気まずくてもなかなか避けては通れませんから」

学区という縛りは難しく、お互い引っ越す予定がない場合はなるべく揉め事は避けたいというのが保護者の本音のようです。