大切なのは運用を続けること

ジュニアNISAの移管に関しては、仕組みが複雑で素人では判断が難しいというのが、筆者の正直な感想でした。きっと筆者の他にも悩んでいる人がいる。そんな気持ちで中野会長にお話しを伺いました。

もともとジュニアNISAは子どもの進学や就職を踏まえ、将来的な長期投資をベースにしていますから、運用を続けることが最も大切なことでしょう。

中野会長も口を酸っぱくして言っていましたが、運用を止めてしまうのは、長い目で見た時にものすごく大きな損失を生むことになりかねません。

筆者の上の子は今年大学受験で、合格すれば大学に進学をします。その時に大きなお金が必要になるでしょうけれど、解約ではなく必要な分だけ引き出せばいいと考えています。今回中野会長の話を伺い、改めて長期投資の本質に触れた気がした筆者でした。

【監修】

セゾン投信株式会社 代表取締役会長CEO 中野 晴啓(なかの はるひろ)

1987年クレディセゾン入社。セゾングループの金融子会社にて資産運用業務に従事した後、投資顧問事業を立ち上げ運用責任者としてグループ資金運用のほか、海外契約資産などの運用アドバイスを手がける。その後、クレディセゾンインベストメント事業部長を経て、2006年セゾン投信株式会社を設立。2020年6月より現職。現在2本の長期投資型ファンドを運用、販売しており、顧客数は約15万人、預かり資産は3,200億円を超える。一般社団法人投資信託協会理事公益財団法人セゾン文化財団理事。
著書に『預金バカ』(講談社α新書)『つみたてNISAはこの8本から選びなさい』(ダイヤモンド社)など。

【参考】

「ジュニアNISA」 金融庁

(※1)3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までの間は、原則として払い出しができません。ただし、災害等やむを得ない場合には、非課税での払出しが可能です。

(※2)損失が出ている状態で課税口座に移管する場合、投資額相当に戻るまでの値上がり分も課税対象になり、デメリットとなります。

本取材時において信頼しうると判断した情報等に基づき作成しておりますが、情報の正確性・完全性について保証するものではございません。発言内容についてはあくまで個人の見解となります。また、法令・制度等の変更により内容が変更される可能性があります。

川崎 さちえ