「シフトに穴をあけられないプレッシャー」がすごい

また、当時の食堂課にいる人数はギリギリだったのでしょう。「1人で受け持ちの勤務日」が多かったり、自分が抜けると物理的に回らないような人数でシフトを組まれたりするのが日常茶飯事でした。

休むことが許されない雰囲気

新人ながら責任感を持って仕事に向かっていましたが、筆者も人間です。どうしても体調が優れないときもあります。しかし、社員全員が「休むことは許されない」という雰囲気だったため、体調不良をごまかしつつ働き続けること以外の選択肢は見出せませんでした。

その結果、ストレスで心身がボロボロになり、試用期間中の3カ月で退職することに…。退職後しばらくは体調が優れませんでしたが、ゆっくりと休息を取り自然に触れ合うことで徐々に元気が戻り、また新たな道へ進むことができました。

今でこそわかる「ブラック企業」ぶり!

当時は「社会ってこういうところ」と感じていましたが、ある程度の社会経験を積むと、某ホテルがブラック企業だったと感じざるを得ません。特に社会経験が乏しい若者にとって、企業側の詳細を知ることは自分がその企業で働けるかどうかの貴重な判断材料になるでしょう。

「面接時に必要事項を伝えない」「社員に休暇を与えないように圧力をかける」などは許されざる対応だったと感じますが、現在も似たような問題によってストレスを抱え込んでいる人もいると思います。

生きていくためには働かなくてはならない。でも…

その労働は精神や肉体を削ってまで続けていかなければいけないものでしょうか?「仕事が辛い」「人生がどうでもよくなるほど仕事が嫌だ」と感じる場合は、少しだけ冷静になって考えてみる時間を設けましょう。筆者は試用期間中でホテルを迷わず退職しましたが、そのおかげで「海外留学」という新たな夢を見つけ、夢を叶えることに成功しています。

仕事は人生の大部分を占める大切な要素です。できれば我慢してばかりではなく、やる気ややりがいを持って仕事と向き合いたいですよね。

参考

「勤務間インターバル制度」厚生労働省

広瀬 あゆみ