2019年、金融審議会「市場ワーキング・グループ」のレポートに端を発した「老後2,000万円問題」。これがまだ記憶に新しいという方も少なくないでしょう。

リタイヤ後の主な収入源となるのは、まず「年金」です。さらに、「定年退職金」を受け取ることを想定して老後の資金計画を立てている家庭も多いはず。

さて、退職金の金額は勤続年数と大きな関わりがあります。さらに、退職金制度を設けるかどうかは企業の裁量にまかされています。つまり、退職金の制度自体がない企業もあるわけですね。ご自身の定年退職時、退職金は受け取れるのか、受け取れるとしたらどのくらいなのか、確認してみたことはありますか?

今回は、会社員の「退職金」の金額と、退職給付金制度の現状を、統計データをもとにひも解いていきます。

会社員の退職金ってどのくらい?

厚生労働省の「平成30年(2018年)就労条件総合調査 結果の概況」によると、平成29年(2017年)の1年間において勤続20年以上かつ45歳以上の退職者の1人当たり平均退職給付額は以下の通りです。

大学・大学院卒(管理・事務・技術職)

定年:1,983万円
会社都合:2,156万円
自己都合:1,519万円
早期優遇:2,326万円

高校卒(管理・事務・技術職)

定年:1,618万円
会社都合:1,969万円
自己都合:1,079万円
早期優遇:2,094万円

高校卒(現業職)

定年:1,159万円
会社都合:1,118万円
自己都合:686万円
早期優遇:1,459万円

勤続年数による給付額(定年退職者1人当たり平均退職給付額)についてもみておきましょう。

大学・大学院卒(管理・事務・技術職)

20~24年:1,267万円
25~29年:1,395万円
30~34年:1,794万円
35年以上:2,173万円

高校卒(管理・事務・技術職)

20~24年:525万円
25~29年:745万円
30~34年:928万円
35年以上:1,954万円

高校卒(現業職)

20~24年:421万円
25~29年:610万円
30~34年:814万円
35年以上:1,629万円

給付額は勤続年数によって大きく左右されることが分かります。