「老後に必要なのは○○万円で十分」、「貯金〇〇万円でも老後破綻」など、老後の生活費に関する記事をよく見かけます。

老後は、まだ先と考える人もいるでしょうし、目前に迫る人もいるでしょう。老後までの時間や貯金の状況は様々ですから、一様に答えを出すのは簡単ではありません。

しかし、老後の費用を考える上で外せないポイントはあります。そこで、本日は、老後までにいくら備えれば安心なのか、ポイントを示しながら考えていきたいと思います。

2000万円問題の根拠

「2,000万円」という数字がにわかにクローズアップされたのは、「老後2,000万円問題」が話題に上ってからです。

この「2,000万円」という数字ですが、適当に示されている訳ではありません。老後の生活費の不足分と、いわゆる平均余命を掛け合わせたものが根拠となっています。

実際に各種の数字から計算してみましょう。下記は生命保険文化センターの資料です。世帯主が60歳以上で無職世帯(2人以上の世帯)の1ヶ月間の収入と支出を示しています。

  • 可処分所得・・・192,479円
  • 消費支出・・・239,934円
  • 不足分・・・47,455円

ひと月で約5万円の不足が生じます。不足額は年間で569,460円に上ります。

60歳の平均余命は男性が約24年、女性が約29年ですから、60歳から24年、存命だとすれば13,667,040円、30年ですと17,083,800円、おおよそ2,000万円弱が不足することになります。

この不足額が2,000万円の根拠となっているのです。

住宅費用はどうか

それでは、いくら貯金すればよいのかについて、大事なポイントを見ていきましょう。