今後は屋外レジャーニーズの動向と海外展開を注視

短・中期的には、今後も新型コロナによる感染リスクの少ない移動手段やレジャーが求められ、自転車部品の売れ行きは伸び続けると推測できます。

コアなファンの場合は頻繁にパーツを取り換えることが多いことに加え、新たなユーザーを獲得できれば、今後も安定した収益源となるでしょう。一方で過去の業績にも現れているように、アウトドア関連は天候によって影響されやすい側面もあります。

長期的には欧州の環境対策や新興国の成長が業績を伸ばす要因となる可能性があります。一方、中国での展開は頭打ち感が出始めているため、東南アジアやアフリカなど他の新興国の市場開拓を進める必要があるでしょう。

まとめ

シマノは新型コロナの影響で第2四半期までの売上実績が前年比▲12%でしたが、経済活動の再開とともに感染リスクの少ない移動手段やアウトドアレジャーに消費が向かったことから第3四半期ではV字回復し、今年度の連結業績予想を上方修正しました。コロナ収束後も安定した成長を続けるためには、新規ファンの確保と世界市場におけるさらなる市場開拓が求められます。

【参考資料】
株式会社シマノ 2020年12月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社シマノ 2020年12月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社シマノ 2020年12月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社シマノ 2019年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)
株式会社シマノ 2018年12月期決算短信〔日本基準〕(連結)
5月の国内新車販売45%減 大震災直後に匹敵の水準」(日本経済新聞 2020.6.1付)

山口 伸