さらに高齢の80歳以上の運転免許保有者の状況も見てみましょう。令和元年末における80歳以上の運転免許保有者は約229万人います。平成17年末には約75万人でしたので、13年間で3倍超へ増加しました。

なお、全保有者に占める割合は、平成17年末が1.0%、令和元年末が2.7%です。つまり、現在は、運転免許保有者100人のうち約3人が80歳以上となっているのです(注:この3人は前述した75歳以上の7人に含まれる)。

効果を表し始めている免許返納の推奨

ここ数年、地方自治体は高齢者に対して、様々なクーポン券配布等により運転免許証の返納を奨励しています。そして、その効果により、返納者数は着実に増加していると言われています。

実際、前述した令和元年末における80歳以上の運転免許保有者は、前年比+0.9%増でしたが、男性だけ見ると同▲0.5%減と減少に転じています。もちろん、女性の平均寿命の方が長いことも一因と思われますが、高齢者の運転免許返納の機運が徐々にではありますが、着実に高まってきていることは確かのようです。

一方で、こうした高齢者の運転免許保有者は、いわゆるペーパードライバーなど、実際には運転していない比率が高いという見方もあります。確かに、それは一理あるでしょう。しかし、日本国内の自動車保有台数が7,800万台弱、運転免許保有者数が8,200万人超であることからも、高齢者による“稼働率”は意外に高いかもしれません。