東池袋の自動車暴走死傷事故の初公判で、高齢被告が無実を主張

10月8日、昨年4月に起きた東池袋(東京)における自動車暴走死傷事故の初公判が開かれました。

これは、87歳という高齢者が運転した車が暴走し、2人(母親と幼い娘)が死亡、9人が負傷する悲惨な事故でした。全く無関係の人が巻き込まれ、とりわけ、幼い子供が巻き添えになって命を落としたことに対し、心を痛めずにはいられなかった人も多かったでしょう。

事故発生から約1年半も時間を費やした初公判では、加害者の被告(過失運転致死傷罪)は遺族と被害者に謝罪した一方で、「車に異常が生じた」として自身の無罪を主張しました。これを聞いて多くの人が憤慨したと思われます。事実関係はさておき、87歳の高齢者運転が運転すること自体に大きな疑問を感じた人も少なくなかったはずです。

どんな人でも歳には勝てない…高齢者特有の原因

この東池袋の事故のみならず、高齢者の運転による死傷事故は後を絶ちません。こうした最近の高齢者運転による事故を見る限り、故意でないのは当然として、過失とも言い難いケースが散見されます。

具体的には、高齢による判断力の衰えのため、運転者本人は正常な意識を持っていると感じたにもかかわらず、結果としては過失と見られる行動につながっていることです。たとえば、本人は通常にブレーキを踏んだつもりでも、その反応が遅くなったため間に合わなかったことや、間違えてアクセルを踏んだことが挙げられます。