老後に対する考え方や価値観は変化したか?
新型コロナの影響で老後に対する考え方や価値観が変化したかについても、60代~70代は34.2%が「変化があった」と回答しており、全世代で唯一3割を超えました。
考え方や価値観の変化の内容について、20代~50代はいずれも「貯蓄意識の高まり」が1位ですが、60代~70代では「健康への気遣い」が1位になっており、コロナ禍が意識変容だけでなく行動変容にまで影響を及ぼしていることがわかります。
60~70代の人が、いかに新型コロナウイルスの感染拡大を「自分事」として捉えているかがよく表れていると言えそうです。
都道府県によって「老後不安」のスコアに差も
メットライフ生命の調査では、それぞれの設問に対するスコアを都道府県別でも集計しています。
「新型コロナウイルスにより老後不安が増えた」と感じた方の割合が多かった都道府県は、上から順に長崎県(57.4%)、三重県(56.0%)、岐阜県(55.6%)、福島県(53.9%)、大分県(53.8%)でした。
この数字は、東京都(42.5%)、千葉県(47.3%)、神奈川県(48.5%)などの首都圏近郊の数字と比べると高めになっていますが、これは医療施設の充実度が多少なりとも影響しているのかもしれません。
地域によっては高度な治療を受けられる医療施設が少ないことも多く、自分が新型コロナウイルスなど未知のウイルスに罹患してしまった場合に、適切な処置を受けられないかもしれないという意識が、このような結果につながったのではないでしょうか。