年収600万円世帯の貯蓄額はいくら?

同調査によると、年収600~650万円の勤労世帯の貯蓄額は「1,072万円」だと発表されています。その内訳についてみていきましょう。まず預貯金については普通預金などの通貨性預貯金が324万円、定期性預貯金が403万円となっています。預貯金以外の金融資産については、生命保険などが238万円、有価証券が80万円、その他27万円というデータです。貯蓄額が1,000万円を越えていることを見るに、これくらいの貯蓄ができる年収600万円世帯はやはり十分な生活ができているように思われます。しかし本当にそうなのでしょうか。

「貯蓄1000万円」で足りる?

貯蓄額を把握するにあたり忘れてはいけないのが「負債額」です。年収600万円世帯の負債額は一体いくらなのでしょうか。同調査によると、年収600~650万円世帯の平均負債額は「1,039万円」だと発表されており、その内訳は住宅・土地のための負債が976万円と大部分を占めています。さきほどの平均貯蓄額1,072万円と比較すると、年収600万円世帯では貯蓄額と負債額がほぼイコールとなり、貯蓄額から負債額を引いた純貯蓄額としてはわずか33万円ほどしかないということになります。

負債額を考慮するとほとんど貯蓄ができていないことが判明した年収600万円世帯ですが、同調査を見てみると年収600~650万円世帯の平均年齢は47.5歳。世帯人数の平均は3.40人で、内18歳未満の世帯人員が1.08人いるというデータが出ています。住宅ローンが十分に残っているだけではなく、教育費もまだまだかかる世帯が多いと考えられ、なかなか貯蓄を増やしていくことが難しい世帯といえるでしょう。