SMN、既存サービス拡大に伴う固定費や先行投資が増加 2Qは増収も営業利益および当期純利益は減益で着地

2020年10月30日に発表された、SMN株式会社2021年3月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:SMN株式会社 代表取締役社長 石井隆一 氏

決算ハイライト(新型コロナウイルスの影響)

石井隆一氏:それでは、2021年3月期第2四半期のSMNの決算説明を行いたいと思います。代表取締役の石井です。よろしくお願いします。それでは、スライドに沿って説明します。本日は、上期(2021年3月期第2四半期まで)の実績報告の連結決算概要および第2四半期事業の状況、直近のTOPICSという流れでご説明します。

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まずは、上期の実績である2021年3月期の連結決算の概要についてご説明します。数値の話に入る前に、新型コロナウイルスの当社に与える影響に関してお伝えします。アドテクノロジーではEC市場の需要増を取込むことはできていますが、新規営業成約数の減少等により、全体でみるとプラスマイナスゼロくらいになっています。マーケティングソリューションでは、例えば美容系のカテゴリ等の店舗誘導型広告が大幅に減少したことにより、売上が減っています。会社全体で見ますと新型コロナウイルスの影響を受けている状況になります。

2021年3月期第2四半期 経営方針の振り返り

今期の経営方針の半期の振り返りです。「アドテク新領域への展開」は「DOOH(屋外型広告)」について、新型コロナウイルスの影響で外に人が出ない状況が続いていたため、サービスの提供開始自体に遅れが生じました。また、コネクテッドテレビは、先日プレスリリースしたとおり、当社が呼びかけるかたちで国内大手テレビメーカーを巻き込み、サービス開始まで至ることができましたが、当初想定よりは遅れが生じました。詳細については後ほど説明します。また「アプリDSPの立ち上げ」は、当初想定していたよりも立ち上がりが遅れ、当社の売上に与える影響についても遅れています。一方で、「ソリューション型ビジネスの拡大」はO2Oサービスである「Marketing Touch」の取扱件数が増加しており、引き続き伸ばしていきたい領域と考えています。

決算ハイライト(総括)

決算ハイライトです。連結の売上が約55億円と前年同期比で増収となりましたが、営業利益、当期純利益ともに、既存サービスの拡大に伴う人件費等の固定費や新規サービスに係る先行投資等が増加した影響で減益となりました。各サービスの状況は後ほどご説明します。

決算ハイライト(進捗率)

第1四半期に発表させていただいた業績予想に対する進捗です。ご覧のとおり、売上に関してはこれまで述べてきたように、新型コロナウイルスによる影響や新サービスの開始が遅れるなど、想定通りには進捗していません。また、営業利益以下に関してですが、販管費の増加に関しては想定どおりで、基本的に四半期ごとに大きな変動はありません。そのため、第三四半期以降は想定どおりに売上が増加していけば、利益もついてくると考えていますので、下期に向けて挽回できるよう事業活動を進めていきます。

決算ハイライト(売上)

売上の推移です。アドテクノロジー、マーケティングソリューションで新型コロナウイルスの影響等から想定どおりには進捗せず、前年同期比で4パーセント増となりました。

決算ハイライト(営業利益)

営業利益の推移になります。詳細は後ほどご説明しますが、既存サービスのさらなる規模拡大のためや新規サービスへの先行投資などで人件費を中心とした固定費が増加したため、営業利益は減益となりました。

決算ハイライト(営業利益増減)

先ほどご説明した営業利益の増減を表したものです。既存サービスの規模をさらに拡大させるため積極的に人材採用を進めた結果、人件費等の固定費が大幅に増加しました。また、新規サービスへの投資や、一時的なものですが、社員への在宅勤務手当等といった新型コロナウイルス関連費用も増加し、営業利益は減益となりました。販管費については想定どおりの数値で、第3四半期以降の売上の成長が見込みどおりとなるかが利益増加のポイントになります。

決算ハイライト(売上原価)

アドテクノロジー、マーケティングソリューションの売上と原価の関係に大きな変化はありませんが、デジタルソリューションで、M&Aによる事業領域の拡大のため子会社化したASAが前年同期では子会社化されていませんでしたので今期はそちらが寄与し売上総利益率が増加しています。

決算ハイライト(販管費)

販管費の推移になります。前年同期比で約5ポイント悪化し、22.4パーセントとなりました。販管費の増加は、新規サービスへの投資や、子会社化したASAの事業モデルが、粗利率が高く、販管率も高いものである影響によるものです。また、既存サービスの規模拡大を目指して人材採用を進めた結果、人件費等の固定費が増加しています。今後とも成長のため投資を継続しつつ、適正な水準でコントロールしていきます。

決算ハイライト(貸借対照表)

バランスシートには特段大きな変化はありません。

決算ハイライト(フリー・キャッシュ・フロー)

フリー・キャッシュ・フローです。営業キャッシュ・フローは既存サービスの規模拡大や新サービスの先行投資などの積極的な投資を行った結果、営業利益が減少したこと等により減少しています。また、投資キャッシュフローにおいて、前年はM&Aによる子会社株式取得の約1.3億円が発生しておりますが、そちらを抜いたものと比較して増加しています。その結果、フリー・キャッシュ・フローではマイナスとなっていますが、毎年1Hは基本的にFCFがマイナスになる構造です。

アドテクノロジー

サービス別の報告である、第2四半期事業の状況を簡単にご説明します。こちらは、主力のアドテクノロジーの売上の推移になります。自社開発しているAIエンジン「VALIS-Engine」を活用した、潜在顧客ターゲティング(類似・拡張)系の商材が伸びていますが、新型コロナウイルスの影響による新規営業成約数の減少や新サービスの「DOOH(屋外型広告)」やアプリDSP等の売上が寄与しなかったことにより、成長は鈍化しています。

マーケティングソリューション

マーケティングソリューションの売上推移です。新型コロナウイルスの影響により、店舗誘導型の広告、例えば美容系などのカテゴリにおいて売上が伸ばせず減少しています。

デジタルソリューション、その他

デジタルソリューションの数値は、M&A による事業領域(ウェブインテグレーション)の拡大を目指し、子会社化したASAの売上が連結されたことにより、大幅に増加しています。また、実店舗向けO2Oサービスである「Marketing Touch」に関しても鉄道系MaaSの売上が徐々に上がってきており、今後の成長に期待しています。

TOPICS アドテクノロジー

アドテクノロジーの重点施策の一つであるコネクテッドテレビのトピックスです。新領域への進出ということで先日、プレスリリースを出しましたが、国内大手テレビメーカーと連携し、国内最大級のテレビ視聴データをワンプラットフォームで広告配信に活用できる「TVBridge」のサービスを開始しました。「TVBridge」では、ソニー、パナソニック、シャープ、東芝映像ソリューションの約500万台のテレビ視聴データと、SMNが持つスマートフォンやPC上での行動データを専用のDMPで連携することにより、プライバシーにも考慮した形でさまざまなメディアに広告配信することが可能となります。本サービスにより、テレビ番組、CMとWebメディアを包括的に捉え、双方の広告効果の最大化に貢献するとともに、生活者に対してもより快適で有益な広告の提供を目指します。

(参考)国内コネクテッドテレビ広告市場

今後の展開として、どれくらいのポテンシャルがある領域なのかを把握するため、デジタルインファクトと共同で、国内コネクテッドテレビ広告の市場動向調査を行いました。2020年は102億円の市場になっていますが、4年後の2024年には558億円規模の市場へと成長する見込みであり、当社としては、成長する市場に乗り遅れることなくサービスを展開していく予定です。

(参考)国内コネクテッドテレビ広告市場構造

コネクテッドテレビの市場構造です。まだまだ黎明期であり、今後さまざまなプレイヤーが入ってくると思いますが、当社としては広告代理店、DSP、サプライサイド(DATAのDMP)を押さえており、DMPを起点に一気通貫のサービス展開を目指します。

TOPICS デジタルソリューション

ここで、ユニークな技術をもった子会社であるゼータ・ブリッジをご紹介します。SMN子会社のゼータブリッジは、教師データを必要としない、つまりAIや機械学習に頼らない画像認識技術を開発し、顧客企業へ提供しています。

AI・機械学習では、大量のデータを必要とし、データ収集が困難な場合には画像認識の精度が向上しない場合があります。しかし、ゼータブリッジの技術では、大量のデータを使うことなく、画像の特定条件を判断して認識することができます。直近では、大手自動車部品メーカーにおいて「自動車部品の不良検出」、旅客事業者においては「鉄道設備の摩耗を判別」といった事例があります。

TOPICS その他 新規事業①

前期より、メディア領域でのサービス展開を模索していましたが、コミュニティ型メディアプラットフォーム実現を目指し、子会社を設立してサービス展開を図っていくこととなりました。単に大量のトラフィックを集めるメディアではなく、コミュニティを通して、ロイヤリティの高いユーザーが集まるメディアを目指します。まずは、コミュニティ型自社メディアの実績を作り、次に他社向けコミュニティメディア運営プラットフォームを提供することで、SMNが保有する技術やサービスを活用し、データドリブンでメディアの収益化を支援します。

TOPICS その他 新規事業②

メディアプラットフォーム構想の第一弾として、自社メディアをスタートさせることができました。日本全国の「食」と「旅」を楽しみながら地域の魅力を語り合う、参加型のコミュニティメディアでして、徐々にではありますが収益化に向けて取り組んでいきたいと思います。

TOPICS その他(コロナウイルスへの対応)

TOPICSの最後ですが、新型コロナウイルスに関する当社の対応状況をお知らせします。現時点では、ハイブリット型勤務として、状況に合わせてオフィスと自宅での勤務としています。今後とも、新しい働き方・仕事の進め方を継続的に検討していきます。

以上で、2021年3月期第2四半期決算説明を終了いたします。どうもありがとうございました。引き続き、ご支援のほどよろしくお願いします。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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